2007年火星接近
今回の火星はどう見える?
ほぼ天頂で輝く火星
今回の火星接近は、距離でいえば「中接近」程度で、決して際だって明るくなるわけではありません。しかし、ほかの接近に比べて際だって有利なのが高度です。最接近ごろの火星はふたご座にありますが、真夜中の南中高度は80度を超えます。ほとんど天頂といってよいでしょう。
冬は空が澄んでいる一方、気流が安定しないので星像が乱されがちです。しかし、これだけ高度があれば影響は少ないといえるでしょう。
視直径15秒角が目安
火星の見かけの大きさ(視直径)が15秒角を超えていると、小型の望遠鏡でも表面の模様をとらえることができます。火星の視直径が15秒角を超えているのは11月30日ごろから2008年1月7日ごろまでの40日弱です。決してチャンスは多くないので、晴れたときはすぐに望遠鏡をかまえたいところです。
クリスマスイブ、満月との共演
さて、火星が接近する12月下旬といえば、クリスマスシーズンのまっただ中。地上でのお祭りムードがピークを迎える12月24日、星空の方では満月と火星のランデブーが見られます。
最接近時には、月と火星の間隔が1度を切るほどですが、あいにくそれは真昼のこと。それでも、日が暮れてから昇ってくる月と火星は、双眼鏡の視野にぎりぎり収まるほど近づいています。
星空を観察するときに、月明かりはできれば避けたいもの。でもこの日ばかりは、天空の派手なイルミネーションを楽しんでみてはいかがでしょう。