春の星空を楽しもう
春の星座を探そう
春の大曲線
春の星空には、北と南の空に星座をさがすときのよい目印が2つあります。まず最初の目印は、北の空の高いところに、ふせたスプーンの形に浮かんでいる北斗七星です。有名な北斗七星はおおぐま座のシッポを表わす星の並びです。このスプーンの取っ手のカーブをそのまま伸ばしていくと、東の空でややオレンジがかった明るい星にぶつかります。これはうしかい座のアルクトゥールスです。さらにカーブを伸ばしていくと、南東の空で、白い星にぶつかります。これはおとめ座のスピカです。さらに伸ばすと、4つの星が台形に並んでいるからす座が見つかります。この北斗七星からからす座までのカーブを春の大曲線といいます。
春の大三角
南の空の高いところを見上げると、『?』を左右逆にしたような形に星が並んでいるのが見つかります。これはしし座の頭を表わす星の並びで、ししの大鎌(おおがま)とよばれています。しし座のシッポの先のデネボラと、アルクトゥールス、スピカを結んでできる三角形は、春の大三角とよばれています。目印の星が見つかれば、あとは星空と星図を見くらべて、他の星座もさがし出してみてください。
うしかい座
ネクタイのような形をした〈うしかい座〉の目印は、1等星のアルクトゥールスです。
アルクトゥールスは、「北斗七星」から始まる「春の大曲線」を使ってさがすと、すぐに見つかります。
北斗七星の柄のところを伸ばすと、〈うしかい座〉の星が曲線状に並んでいるのがわかり、やがて見つかる明るいオレンジ色の星が、全天で4番目に明るい星アルクトゥールスです。
アルクトゥールスは「熊の番人」という意味です。
おとめ座
〈おとめ座〉の目印は1等星のスピカで、これは「春の大曲線」「春の大三角」を使ってすぐに見つけだすことができます。しかし、ほかの星はせいぜい3等星で、星の並び方も複雑なので少々見つけにくいでしょう。それでも、となりの〈しし座〉の形がはっきりしているので、星図をたよりに〈しし座〉の後ろ脚から東側に並ぶ星をたどれば、なんとか乙女の姿が浮かび上がります。
しし座
春の宵空で南を向いて見上げてみると、大きな鎌(かま)の形をした星の並びが見つかります。これは〈しし座〉の頭から胸にかけての部分で、「?」の文字を左右逆にした形に星が並んでいます。
ライオンの胸のところで明るく光っているのは1等星のレグルスです。
左(東)の方には、ライオンの胴体を形作る星が、ひしゃげた台形に並んでいるのがわかります。シッポのところにある星は「デネボラ」といいます。
また、毎年11月の17日から19日あたりに、たくさんの流星が出現する「しし座流星群」の放射点(流星の中心)も、名前のとおりこの星座にあります。11月の〈しし座〉は、23時すぎに東空に顔を出します。
おおぐま座 こぐま座
〈おおぐま座〉のシッポの「北斗七星」は北極星のそばにあるので、秋の宵をのぞけば地平線に沈むことがなく、ほぼ一年中夜空に見つけることができます。
北斗七星のヒシャクの先を伸ばしていくと、北極星が見つかります。また、ヒシャクの柄(取っ手)を伸ばしていくと、〈うしかい座〉のアルクトゥールス、〈おとめ座〉のスピカを通り、〈からす座〉へと続く「春の大曲線」ができ上がります。
またミザールはアルコルという星と二重星になっています。だから本当は「北斗八星」です。
北斗七星のヒシャクの四角いマスを拡大すると、熊の胴体ができ、そこから頭や前後の脚が伸びています。
からす座
4つの3等星がつぶれた台形に並んでいる〈からす座〉は、春の夜空でわりと見つけやすいのですが、「北斗七星」から始まる「春の大曲線」の終点としてさがし方を紹介されることが多いようです。
春の大曲線は、北の高いところに見える北斗七星の柄のところを伸ばし、〈うしかい座〉のアルクトゥールス、〈おとめ座〉のスピカへとつながっています。この曲線をスピカから南の方へ伸ばすと、〈からす座〉にぶつかります。
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