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2010年1月15日 部分日食

東京から見た部分日食

大阪から見た部分日食

福岡から見た部分日食

那覇から見た部分日食

1月15日の日没直前に、中部地方より西側で部分日食が見られます。もっとも条件の良い沖縄地方では、日没直前に食の最大(食分0.6)をむかえますが、九州より東では食の最大となる前に太陽が沈んでしまいます。欠けた太陽がゆらめきながら沈んでいく様子は、通常の日食とは違ったおもしろさがあることでしょう。

大気の効果による浮き上がりを考慮すれば、関東付近でも日没前に太陽が欠けはじめますが、実際に見るのは困難です。

日本では部分日食しか見られませんが、アフリカからインド洋を通って中国にいたるまでの地域では、太陽がリング状に欠ける「金環日食」が見られます。

観測地欠け始め日没
時刻高度時刻食分
名古屋 16時47.7分2.0゚17時04分0.209
京都 16時47.1分3.0゚17時09分0.280
大阪 16時47.3分3.3゚17時11分0.304
岡山 16時46.6分4.6゚17時17分0.380
広島 16時46.1分6.0゚17時23分0.458
松山 16時46.7分5.4゚17時20分0.411
高知 16時47.3分5.9゚17時23分0.449
福岡 16時45.5分7.9゚17時33分0.580
佐賀 16時45.6分8.1゚17時34分0.589
長崎 16時45.7分8.7゚17時37分0.616
熊本 16時46.2分8.0゚17時33分0.571
大分 16時46.5分7.1゚17時29分0.519
宮崎 16時47.3分7.7゚17時33分0.542
鹿児島 16時46.9分8.6゚17時37分0.588
那覇 16時48.5分13.2゚17時59分0.617

日食のようすは、ニンテンドーDS用ソフト「星空ナビ」で簡単に調べられます。

現象一覧から1月15日の日食を選ぶだけで空を画面に再現して、さらに時刻や場所を自由に設定できます。また当日は、DS本体をかざした方向の星空を映し出す機能を使い、日没とともに輝きはじめる星の名前を調べられます。

星空ナビ 公式サイト

観察の際の注意

日食を観察するときは、次の点に十分注意してください。

  • 太陽を直接見てはいけません。望遠鏡や双眼鏡を使わずに肉眼で見るだけでも、目に悪影響を及ぼします。地平線付近まで沈んだ太陽はだいぶ暗くなったように見えますが、それでも直視するのが危険であることに変わりはありません。
  • 減光用フィルターも正しいものだけを。黒い下敷き、サングラス、カラーフィルムの黒い切れ端は使ってはいけません。目に見える光はほとんど通さなくても、目に有害な赤外線を透過してしまうからです。
    かつて使われていた太陽観察用のサングラスやフィルターにも、赤外線を通してしまったり割れる危険性があるものがあります。とりわけ望遠鏡用の減光フィルターは、こうした理由から現在ほとんど市販されていません。

おすすめの観察方法は次のとおりです。必要な機材はアストロアーツオンラインショップでも取り扱っています。

  • 「日食観察メガネ」を使う。もっとも手軽でおすすめな方法ですが、使用上の注意をよく確認して使いましょう。例えば、メガネをかけた状態で望遠鏡や双眼鏡などで太陽を見てはいけません。
  • 太陽観察専用の双眼鏡・望遠鏡を使用する。投影式なので目を痛める心配がなく、大勢で観察できる組み立て式太陽投影装置「ソーラースコープ」がおすすめです。
  • 望遠鏡の接眼部の後ろに太陽投影板を取り付ける。太陽投影板」には大勢で見られる、スケッチがとれるといった利点があります。直接太陽を見ないので安全ですが、望遠鏡の口径が大きすぎたり、プラスチックなど熱に弱い素材が使われていると発火のおそれがあります。太陽観測を想定した設計であるか確認した上で、対物レンズの光景は4〜5cm程度まで絞りましょう。また、ファインダーの対物側には必ずキャップをつけてください。
  • 望遠鏡用の金属蒸着シートを使う。望遠鏡の対物レンズの前に取り付けるタイプの「アストロソーラーシート」が販売されています。ただし、取り付ける際にはすき間や穴が空かないように十分注意してください。デジタルカメラや一眼レフカメラで撮影する場合には、「ソーラーフォトフィルターD4」などの専用フィルターがあります。