1月15日の日没直前に、中部地方より西側で部分日食が見られます。もっとも条件の良い沖縄地方では、日没直前に食の最大(食分0.6)をむかえますが、九州より東では食の最大となる前に太陽が沈んでしまいます。欠けた太陽がゆらめきながら沈んでいく様子は、通常の日食とは違ったおもしろさがあることでしょう。
大気の効果による浮き上がりを考慮すれば、関東付近でも日没前に太陽が欠けはじめますが、実際に見るのは困難です。
日本では部分日食しか見られませんが、アフリカからインド洋を通って中国にいたるまでの地域では、太陽がリング状に欠ける「金環日食」が見られます。
観測地 | 欠け始め | 日没 | ||
---|---|---|---|---|
時刻 | 高度 | 時刻 | 食分 | |
名古屋 | 16時47.7分 | 2.0゚ | 17時04分 | 0.209 |
京都 | 16時47.1分 | 3.0゚ | 17時09分 | 0.280 |
大阪 | 16時47.3分 | 3.3゚ | 17時11分 | 0.304 |
岡山 | 16時46.6分 | 4.6゚ | 17時17分 | 0.380 |
広島 | 16時46.1分 | 6.0゚ | 17時23分 | 0.458 |
松山 | 16時46.7分 | 5.4゚ | 17時20分 | 0.411 |
高知 | 16時47.3分 | 5.9゚ | 17時23分 | 0.449 |
福岡 | 16時45.5分 | 7.9゚ | 17時33分 | 0.580 |
佐賀 | 16時45.6分 | 8.1゚ | 17時34分 | 0.589 |
長崎 | 16時45.7分 | 8.7゚ | 17時37分 | 0.616 |
熊本 | 16時46.2分 | 8.0゚ | 17時33分 | 0.571 |
大分 | 16時46.5分 | 7.1゚ | 17時29分 | 0.519 |
宮崎 | 16時47.3分 | 7.7゚ | 17時33分 | 0.542 |
鹿児島 | 16時46.9分 | 8.6゚ | 17時37分 | 0.588 |
那覇 | 16時48.5分 | 13.2゚ | 17時59分 | 0.617 |
日食のようすは、ニンテンドーDS用ソフト「星空ナビ」で簡単に調べられます。
観察の際の注意
日食を観察するときは、次の点に十分注意してください。
- 太陽を直接見てはいけません。望遠鏡や双眼鏡を使わずに肉眼で見るだけでも、目に悪影響を及ぼします。地平線付近まで沈んだ太陽はだいぶ暗くなったように見えますが、それでも直視するのが危険であることに変わりはありません。
- 減光用フィルターも正しいものだけを。黒い下敷き、サングラス、カラーフィルムの黒い切れ端は使ってはいけません。目に見える光はほとんど通さなくても、目に有害な赤外線を透過してしまうからです。
かつて使われていた太陽観察用のサングラスやフィルターにも、赤外線を通してしまったり割れる危険性があるものがあります。とりわけ望遠鏡用の減光フィルターは、こうした理由から現在ほとんど市販されていません。
おすすめの観察方法は次のとおりです。必要な機材はアストロアーツオンラインショップでも取り扱っています。
- 「日食観察メガネ」を使う。もっとも手軽でおすすめな方法ですが、使用上の注意をよく確認して使いましょう。例えば、メガネをかけた状態で望遠鏡や双眼鏡などで太陽を見てはいけません。
- 太陽観察専用の双眼鏡・望遠鏡を使用する。投影式なので目を痛める心配がなく、大勢で観察できる組み立て式太陽投影装置「ソーラースコープ」がおすすめです。
- 望遠鏡の接眼部の後ろに太陽投影板を取り付ける。「太陽投影板」には大勢で見られる、スケッチがとれるといった利点があります。直接太陽を見ないので安全ですが、望遠鏡の口径が大きすぎたり、プラスチックなど熱に弱い素材が使われていると発火のおそれがあります。太陽観測を想定した設計であるか確認した上で、対物レンズの光景は4〜5cm程度まで絞りましょう。また、ファインダーの対物側には必ずキャップをつけてください。
- 望遠鏡用の金属蒸着シートを使う。望遠鏡の対物レンズの前に取り付けるタイプの「アストロソーラーシート」が販売されています。ただし、取り付ける際にはすき間や穴が空かないように十分注意してください。デジタルカメラや一眼レフカメラで撮影する場合には、「ソーラーフォトフィルターD4」などの専用フィルターがあります。
関連リンク
- アストロアーツオンラインショップ
- 2009年7月22日の皆既日食を映像で振り返ります。オンラインショップ特典として太陽日食観察メガネをプレゼント。
- これだけはおぼえておきたい天文の基礎知識 − 「太陽」
- 天文学や天文現象を楽しむときに覚えておきたい「基礎知識」を集めたコーナーです。「太陽」のコーナーには日食についての解説があります。
- 天体画像ギャラリー
- 日食のコーナーで、皆様からご投稿いただいた過去の日食の画像などを公開しています。
- 2009年 7月22日 皆既日食 (中国、トカラ列島 国内で部分日食)
- 2008年 8月 1日 皆既日食 (シベリア、モンゴル、中国西域)
- 2007年 3月19日 部分日食 (日本海側各地)
- 2006年 3月29日 皆既日食 (北アフリカ、地中海、中央アジア)
- 日食ギャラリーの一覧