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2010年 火星接近

地球のすぐ外側をまわっている惑星「火星」は、2年2か月ごとに地球に接近します。2010年の最接近は1月28日で、冬の星々に負けない赤い輝きが目立っていました。春から夏にかけても、様々な天体と並びます。

夜空での見え方

5月下旬になると、火星は1等級にまで暗くなり、最接近のころに比べて存在感も薄れてきました。しかし、まだ火星のことを忘れるには早すぎます。

6月上旬に、しし座の1等星・レグルスに火星が接近します。2つの星は明るさがほとんど同じなので、実に印象的な光景です。最接近は7日で、肉眼でも双眼鏡でも楽しめるでしょう。

4月17日 午後8時の火星の位置

2010年6月7日 午後8時の火星とレグルスの位置。クリックで拡大し星の名前などを表示(ステラナビゲータで作成)

火星の動き

2010年5月末から6月中旬にかけての火星の動き。クリックで拡大(ステラナビゲータで作成)


「夜空での見え方」バックナンバー

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ニンテンドーDSで探す

星空ナビの「天文現象」で火星接近を再現

火星は市街地でも見えるほど明るい天体ですが、それでも「街の明かりばかりが目に入ってしまう」「方角の見当もつかない」という方も少なくないことでしょう。そんなときはニンテンドーDS用ソフト「星空ナビ」が便利です。

「星空ナビ」には「DS方位センサーカード」が内蔵されていて、ニンテンドーDS本体の向きや動きを読み取って、向いている方向にある星や星座について調べたり、逆に天体を探すことができます。「星をさがそう」モードで、天体の一覧から火星を選べば、あとは矢印の指示に従ってDS本体を動かすだけです。

主な天文現象を一覧から選べる「天文現象」モードでは、1月28日の火星接近を簡単に再現できます。また、最接近を終えても月や明るい星などとの接近が相次ぎますが、「星空ナビ」で確認できます。

星空ナビで火星を導入

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火星と地球が接近する仕組み

火星の大接近と小接近

接近のたびに距離が変わる火星

地球が1年(約365日)で太陽をぐるっと一回りしているのに対して、火星は約687日かけて太陽のまわりを一周しています。内側をまわる地球が火星に追いついて、追い越すときが接近の時期になるのです。

地球がほぼ円に近い軌道をもつのに対して、火星はやや押しつぶされた形の楕円(だえん)軌道をまわっているため、接近する場所によってその距離が大きく変化します。もっとも近いときで約5600万km、もっとも遠いときには約1億kmと大きな差ができます。

これが、大接近と小接近が起きる理由です。

2010年1月の火星接近は、一番地球に近づく28日でも9933万kmと距離が大きく、明るさはマイナス1.2等にとどまっています。それでも、全天で一番明るい恒星のシリウスに匹敵する明るさなのですぐに目に付くことでしょう。シリウスの白と火星の赤が対照的です。また、ほとんど点に近いシリウスの光が気流によって激しくまたたくのに対して、最大で14.1秒角と小さいながらも視直径のある火星は、肉眼ではそれほどちらつかないのが印象的です。

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望遠鏡で模様を観察

木星と火星のサイズ比較

火星が大接近した2003年には、視直径は約25秒にまでなりましたが、2010年1月は最大でも14.1秒です。太陽系最大の惑星である木星の視直径(50秒弱)と比べたら、はるかに小さいものであることが分かるでしょう。

このように火星は小さいので、観測するためには、光学系の優秀な、大口径の望遠鏡が必要になります。近くに公開天文台があれば、最接近のころに火星を見せてもらうのもよいでしょう。

なお、アストロアーツオンラインショップでは、任意の日時に観察できる火星の模様を再現できるソフト「火星くるくる」や「火星儀」なども販売しています。

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