2006年 ふたご座流星群
ふたご座流星群とは
1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群と並んで、三大流星群に数えられているのがふたご座流星群です。決して派手ではありませんが、毎年コンスタントに1時間あたり20個から30個の流星が見られるという堅実な活動を見せることで知られています。
流星が流れてくるように見える中心点を「放射点(あるいは輻射点)」といいます。その放射点が「ふたご座」のα星、カストル(ふたごの兄)のそばにあるのでふたご座流星群、あるいはふたご座α流星群と呼ばれています。
ふたご座流星群が出現するころは、月明かりなどを別にすればひじょうによい時期です。まず、冬なので大気の透明度が良く、他の季節に比べて暗い流星を見つけやすくなります。夜の時間が長いので、それだけ観測する時間も長くとることができます。さらに、この時期のふたご座は宵に東から昇り、深夜には天頂付近に見えています。放射点が一晩中地平線の上にあるので、どの方向にも流星が流れやすくなります。
実際に見える流星の数では、ふたご座流星群はペルセウス座流星群を上回ります。さらに、近年は流星の数が増えていて、しかも明るい流星が目立つようになっていることも見逃せません。
ちなみにふたご座流星群の大きな特徴としては、小惑星に起源を持つこともあげられます。ほとんどの流星群は、彗星が尾を伸ばしながら軌道上に残したチリが、地球とぶつかることで見られます。しかし、ふたご座流星群の場合、チリを残したのは彗星ではなく、尾を見せない小惑星ファエトン(小惑星番号3200番)なのです。
今年のふたご座流星群はどう見えるの
2006年のふたご座流星群は、12月14日午後9時に極大(流星活動のピーク)を迎えると考えられています。一方、15日の午前1時を過ぎると、東の空から下弦過ぎの月が昇ってきます。放射点が一晩中地上にあることを考えれば、宵から夜半ごろにかけては好条件と言えるでしょう。
流星群の流星は、放射点を中心に流れますが、放射点の近くでたくさん見えるわけではありません。どの方向でも流星を見ることができます。
月が昇ってからでも、明るい流星なら見ることができます。ただし、東の空を観測するとまぶしい月が視野に入ってしまうので、避けた方がよいでしょう。
流星をたくさん見るためのポイント
たくさんの流星を見るためには、「光害の少ない暗いところ」「地平線近くまで視野の開けているところ」を選ぶのが大切です。都市部ではそういう場所を見つけるのは難しいかもしれませんが、河川敷や公園などを探してみましょう(公園やグラウンドなど、夜間の出入りを禁止している場所もありますので気をつけてください)。
12月中旬の現象ですので、一晩中とても冷え込みます。防寒は万全にしておきましょう。家のそばで見る場合には、コタツに入って空を見上げるのもよいでしょう。
流星観測は一晩中行うものです。安全性などにじゅうぶん注意するとともに、マナーを守り、他人に迷惑をかけないように気を配りましょう。
数を記録したり、写真やビデオで撮影するなど、もっと本格的な観測に挑戦してみたい方は「流星観測のすすめ」をごらんください。
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