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2005年 しぶんぎ座流星群

お正月は空気がきれいで、星が意外とよく見えることがあります。そんなお正月の夜空で、たくさんの流星が見られることがあります。毎年1月4日ころをピークとする「しぶんぎ座流星群」です。

しぶんぎ座流星群とは

(2004年のしぶんぎ流星群の写真) 毎年1月4日頃に見られる「しぶんぎ座流星群」は、8月のペルセウス座流星群や12月のふたご座流星群とならんで、年間の三大流星群のひとつとして知られています。

しぶんぎ座流星群の特徴としては、活動が短時間に集中していることが挙げられます。極大(活動のピーク)の前後数時間には、条件の良いところでは1時間に数十個の流星が見られますが、その時間を外すとほとんど見られなくなってしまいます。この極大の時刻が夜になるか昼になるかで、たくさんの流星が見られるかどうかが大きく左右されてしまうのです。

放射点(この点を中心に流星が流れるように見える天球上の点)がりゅう座にあるのに、どうして「しぶんぎ座流星群」というのでしょうか。18世紀の終わりごろ、このあたりにフランスの天文学者ラランドが作った壁面四分儀(へきめんしぶんぎ)座という星座があったからです。この流星群の学術名Quadrantidsはその名残りです。ちなみに10月のジャコビニ流星群はDraconidsで、こちらもりゅう座に放射点のある流星群です。

今年のしぶんぎ座流星群はどう見えるの?

(1月4日午前2時の星空) 2005年の場合、極大時刻は3日の21時ごろと予想されています。放射点が上ってくるのは23時ごろなので、この点では条件はまずまずです。しかし残念なことに、夜半過ぎに下弦の月も上ってくるため、暗い流星は月明かりに邪魔されて見にくくなってしまいます。しぶんぎ座流星群の流星には明るいものも多いため、まったく見えないというわけではありませんが、月に背を向けて明かりを避けるなどの工夫が必要でしょう。

月明かりがあるとはいえ、年間の三大流星群のひとつですから、他のマイナーな流星群に比べれば見応えがある流星群です。1月3日夜から4日明け方にかけて、1時間あたり30個程度の流星がみられるのではないでしょうか。

流星をたくさん見るためのポイント

1時間に最大30個といっても、市街地では夜空に漏れる無駄な夜間照明(光害)などの影響で見える数はぐっと少なくなってしまいます。都会ではせいぜい1時間に数個程度と、見える数は激減してしまうでしょう。少しでもたくさんの流星を見るには、市街地の光害から逃れ、見晴らしの良い場所がベストです。どうしても市街地で見る場合には、河川敷、公園、グラウンドなどで、なるべく周囲の明かりのない場所を探してみましょう。

寒い冬空の下で相当冷え込みますから、長時間眺めるには、椅子や温かい飲み物も用意したいところです。しっかりと防寒をして、冬の星空を散策しながら、気長に流星を待つというスタイルで楽しみましょう。

そして当然のことながら、安全面への配慮や周辺への気配りなど、マナーを守って楽しみましょう。