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【特集】2010年1月1日 初日の出と月食を見よう

2010年は元旦から天文イベント三昧となりそうです。

元旦と言えば、まずは初日の出。東京では午前6時50分です。冷え込んだ明け方の空気の中、太陽光の暖かさを実感できる一瞬は、とても気持ちの良いものです。

さらに今年は、初日の出の前にもう1つ、天文現象があります。除夜の鐘を聞いて初詣をすませた帰り道に、西の空で部分月食を見ることができます。欠け具合はわずかですが、新年の運試しという意味でぜひとも見ておきたいところです。

部分月食

初日の出前の月食の星図
ステラナビゲータで作成

2010年は1年に3回も月食が起こる珍しい年で、最初の部分月食が元旦の初日の出前に見られます。ちなみに2回目も部分月食で6月26日、3回目は皆既月食で12月21日に起こります。

月が影に隠されるようすと空の位置を上の図に示しました。月はほぼ西の空で、左下が欠けます。

今回の部分月食は最大食分がわずか0.082ですが、深夜の初詣と初日の出の間に起きるので観察する方も多くなりそうです。食の始まりから終わりまでの全過程を全国で見ることができます。タイムテーブルは以下のとおりです。

半影食の始め 欠け始め 食の最大 本影食の終わり 半影食の終わり
2時15分 3時51.6分 4時22.6分 4時53.8分 6時30分

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初日の出

国内の主な場所での初日の出時刻は以下のとおりです(場所の違いなどにより、1分程度の差がある可能性があります)。

場所時刻
札幌7時06分
仙台6時53分
新潟6時59分
東京6時50分
場所時刻
名古屋7時00分
大阪7時05分
福岡7時22分
那覇7時16分
場所時刻
南鳥島5時27分
富士山山頂6時42分
犬吠埼6時46分

  • 日の出とは、太陽の上端が見かけ上地平線(または水平線)に一致した時刻を指します(日の入りも同様です)。
  • 地平線近くの太陽は、大気の影響(大気差)で実際よりも浮き上がって見えます。このため、実際にはまだ地平線の下にある太陽が、大気の影響がないと考えた場合と比較して4分ほど早く「日の出」をむかえます。
  • 日本でもっとも早く初日の出が見られるのは、日本の東端である「南鳥島」で5時27分です。本州では「富士山山頂」(6時42分)、平地に限れば千葉県の「犬吠埼」(6時46分)になります。なお、日の出のもっとも早い場所は季節によって変わります。
  • 一方、日本の西端である「与那国島」の初日の出は7時31分で、日本の東西で実に2時間以上の差があることになります。
  • 日の出の時刻は、標高が高いほど早くなります。また当然ながら、日が上ってくる方向に山やビルがあればそれだけ遅くなります。

(日の出時刻 情報元:海上保安庁 2010年の初日の出の時刻一覧

アストロアーツの「日の出・日の入り」のページでは、全国各地の日の出時刻を計算することができます。初日の出の時刻を確かめてみましょう。

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再現してみよう

天文現象の見られる方向や起きる時刻は、見る場所などによって大きく変わります。なので日の出の瞬間を見たい、写真を撮影するために構図を決めたいなどの場合は、あらかじめ再現しておくと便利です。

(星空ナビで月食を再現)

ニンテンドーDSで星空を再現できる「星空ナビ」を使うと、天文現象の一覧から選択するだけで月食を再現することができます。観測する場所を設定すれば、食の最大時に月がどの高さにあるのかもわかります。

初詣に星空ナビも持って行けば、帰り道で月食を見るのも簡単です。さらに、そのまま初日の出にも使えます。「星空ナビ」は、ニンテンドーDSを向けた方向の空を画面に再現します。地上に見えている星だけでなく、地平線の下にある天体も表示できるので、まだ暗いうちからでも、太陽がどの方向から昇ってくるのかを簡単に把握できます。また「こよみ」の機能を使えば、どこにいても初日の出の時刻を正確に確かめることができます。


(ステラナビゲータ Ver.8で初日の出を再現)

天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ Ver.8」は、特に写真を撮影しようという方におすすめです。

ステラナビゲータは月や太陽の位置を大気による影響も含めて正確に再現できます。さらに、周辺の地形から地平線を計算したり、手持ちの機材による撮影範囲を調べたりといった高度なシミュレーションも可能です。

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