M104
(おとめ座の銀河:ソンブレロ銀河)
解説
おとめ座とからす座の境界付近にある有名な銀河です。その姿がメキシコのソンブレロという帽子にそっくりであることから、ソンブレロ銀河の名で親しまれています。大きな暗黒星雲が銀河を一直線に横切るようすはひじょうに美しいものです。従来は渦巻銀河だと考えられていましたが、NASAの赤外線天文衛星スピッツァーの観測によれば、大きな楕円銀河の中に円盤が収まった複雑な構造をしているようにも見えます。メシエが公式に発表したカタログには掲載されていないものの、個人的に記録を残していることが明らかなためメシエ天体に追加されています。
見つけ方
からす座のδ星を中心としてε星を対称に折り返し、そこから少し西より(乙女座α星スピカの反対方向)に位置しています。スピカ(1.0等)とは赤緯が同じなので、赤道儀ではこのほうが探しやすいでしょう。スピカからは45.2m西、27′南です。小さなファインダーでは見えないでしょう。
双眼鏡
7×50の双眼鏡では小さな楕円形の光斑として観察でき、中心部が明るいことがわかります。
10cm
40倍程度でも、東西に細長く伸びた光斑が認められます。空の条件が良いときに100倍くらいに倍率をあげると、写真でよく見るソンブレロ銀河の姿を小さく淡くしたようなイメージが見えます。中心部が輝いた光斑から紡錘形に光芒が伸びて、その片側が一直線に切れていることが明瞭にわかり、さらにその反対側にかすかに光芒が認められて、この部分が暗黒帯であることがなんとか理解できます。これより小さい口径では、この淡い光芒を見ることが難しく、暗黒帯として識別しにくくなります。
20cm
さらにはっきりと暗黒帯がわかるようになり、細長く伸びた姿が実に美しく、見飽きることがありません。実に神秘的な雰囲気が感じられます。また、星雲の光芒の中に濃淡が見えるようになってきます。口径が大きくなるほど印象的な姿を見せてくれます。