M13
(ヘルクレス座の球状星団)
解説
M13は北天最大の球状星団です。美しさでは全天一とも言われるこの星団は、小口径でも大口径でもじゅうぶん楽しめるすばらしい対象です。日本では南中するとほぼ天頂付近まで上るため、大気の影響などを受けにくく、シーイングの良い時の見え方はひじょうに見事なものとなります。大きさは満月の3分の1ほどで、50万個もの星を含み、実直径は約100光年におよびます。
見つけ方
ヘルクレス座の胴体を形作る星のうち、かんむり座寄りの北西にあるη星と中ほどのζ星を結ぶと、その真ん中からややη星よりのところにM13があります。空の条件が良いと、位置さえわかっていれば肉眼でも見えます。ζ星(2.8等)からは0.4m東、4°52′北。ほぼ真北に5°と覚えておけばじゅうぶんでしょう。明るいのでファインダーでもすぐ位置がわかりますが、恒星のイメージです。
双眼鏡
7×50の双眼鏡では、周辺がにじんで見えて恒星とはあきらかに違うことがわかります。さらに大きな双眼鏡で見ると、星雲状のイメージがますます大きく見えてきますが、個々の星を分解することはできません。
10cm
60倍程度では、中心が明るい大きな丸い星雲状に見えます。数個の微光星が確認できて、なんとなくざらざらした感じが美しく見えます。空の条件が良いときに120倍程度にすると、像の明るさもさほど薄れることなく、周囲がざらざらした感じに見えます。目が馴れてくれば、びっしりと微光星が見えてきて実に壮観です。このクラスでじゅうぶん楽しめる数少ない球状星団です。これより小口径でも、高倍率をかけるとかなり見応えがあり楽しめます。
20cm
倍率が低いと星雲状ですが、150倍程度に倍率をあげると、視野に広がる大きな丸い光斑の周囲から中心付近にかけてあわ粒のような星が無数に見えてきて、たいへん見事な眺めです。
30cm
中心まで星に分解でき、その眺めは筆舌に尽くしがたいものです。