メシエ天体ガイドM16
(へび座の散光星雲&散開星団:わし星雲)

M16M16 Map

  • M16(NGC 6611) へび座/散光星雲&散開星団
  • 赤経 18h18.8m 赤緯 -13°47′
  • 等級 6.4等 視直径 35′×28′ 距離 5,500光年

解説

へび座(尾部)とたて座の境界で、いて座に近いところにある有名な散光星雲&散開星団です。3°南にオメガ星雲M17があります。M16で眼視の対象になるのは散開星団部分(NGC 6611)で、散光星雲部分はあまりよく見えません。しかし写真では、真っ赤な姿をした星雲が明るい散開星団を背景にしてよく写り、ひじょうに美しい対象です。拡大すると、星雲の中には星の胞子と考えられている小さく丸い暗斑(グロビュール)が観察できます。また星雲の中心に食い込む暗黒星雲は、象の鼻のように見えておもしろいものです。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した暗黒星雲の先端部分は「創造の柱」というニックネームで知られています。

見つけ方

いて座の南斗六星のひしゃくの柄のはしに位置するμ星(3.9等)から、北に視野を移していく(約5°)とまずM17が見つかり、続いてすぐ北(約3°)にM16を見つけることができます。たて座のγ星からは東に約3°のところになります。また、へびつかい座ν星(3.3等)から19.8m東、4°1′南です。ファインダーでは、星雲状に見えます。

双眼鏡

7×50の双眼鏡では、M16の位置には星雲状の天体が見えますが、これはM16の散光星雲の部分が見えているのではなく、散開星団の部分が星に分解できずに星雲状に見えているものです。より口径の大きな双眼鏡でも見え方にかわりはありませんが、すぐ南のM17が同一視野に入り、天の川の微光星と相まって美しい眺めを楽しめます。

10cm

60倍程度で観察すると、やや星が集まった感じに見えて散開星団であることがわかります。空の条件がひじょうに良いときには、散光星雲の濃い部分が散開星団に重なって見えてきて、それらしい雰囲気となりますが、月明かりがあったり空の透明度が良くなかったりすると星雲部分はまず見えません。有名な割には眼視ではパッとしません。

20cm

散光星雲部分はさほどよく見えません。条件が良くないと、目が慣れていない人には存在もわからないでしょう。倍率をあげると散開星団の部分がまばらになってしまうため、さらにつまらなくなります。天体写真のための対象だと割り切るしかありません。

30cm

散光星雲も濃い部分が見えてきて多少楽しめるようになります。