メシエ天体ガイドM3
(りょうけん座の球状星団)

M3M3 Map

  • M3(NGC 5272) りょうけん座/球状星団(VI)
  • 赤経 13h42.2m 赤緯 +28°23′
  • 等級 6.9等 視直径 10′ 距離 33,900光年

解説

りょうけん座は、おおぐま座とうしかい座にはさまれた、目立たない星座です。M3は銀河が多いこのあたりの星域では珍しい球状星団で、北天全体でもヘルクレス座のM13やへび座のM5とともに有名です。実直径は100光年以上と巨大で、50万個もの恒星があり、質量は太陽の45万倍、年齢も相当に古いとされています。

見つけ方

うしかい座α星(アルクトゥールス)とりょうけん座α星(コルカロリ)を結んだ線のほぼ真ん中に位置しています。西に6°ほど離れたところにかみのけ座β星があります。アルクトゥールス(-0.0等)からは33.4m西、9°13′北です。ファインダーでは空の良いところで、周囲がにじんだ暗い恒星状に見えますが、位置がよくわかっていないと見落としてしまいます。空の条件が少しでも悪いとファインダーではまず見えません。

双眼鏡

7×50の双眼鏡では、周囲がにじんで見え、恒星とは明かに違うことがわかります。すぐそばにある恒星(5.5等)とほぼ同じ明るさに見えて、とてもきれいです。

10cm

低倍率では丸い星雲状に見えます。120倍程度に倍率をあげると周囲が星に分解され、かなり見事な見え方になります。立体的な丸いボール状に見えてきて、球状星団の美しさを楽しむことができます。これより小口径でも、倍率を高めると周囲の星が見えることがありますが、空の条件がかなり良くないと難しいでしょう。

20cm

ひじょうに美しい眺めです。倍率を150倍程度にあげると、ほぼ中心まで星に分解でき、たくさんの微光星が丸く集まった姿は思わずため息がでるほどの美しさです。星の粒がそろった均整のとれた美しさに特徴があり、M13と見くらべると、別の魅力が感じられます。