M30
(やぎ座の球状星団)
解説
みなみのうお座とやぎ座の境界付近にある球状星団です。ちょうどこのM30が南中するころには、天頂付近にペガスス座のM15、その南にみずがめ座のM2という2つの立派な球状星団も上っているので、ぜひ一緒に観察してください。この3つの中ではM30がもっとも暗く小さいうえかなり南に位置するため、空の条件が良いときにM30が南中する時間帯(10月中旬20時ごろ)をねらって観望する必要があります。
見つけ方
やぎ座の三角形の左端にあたるδ星(2.9等)からやや西よりに南下すると、5等級の41番星のすぐ西(0.4°)に位置しています。やぎ座δ星からは6.6m西、7°3′南、やぎ座ζ星(3.7等)からは13.8m東、46′南です。M2、M15とはほとんど同経度にありますので、赤道儀なら両者を観察した後、そのまま望遠鏡を南に振ればとらえることができます。このときは、なるべく低倍率で視野の広いアイピースに変えておかなくてはなりません。
双眼鏡
空が良ければ、双眼鏡で周囲がややにじんだ恒星状に見えます。
10cm
中心が明るい星雲状に見えますが、倍率をあげても周囲を星に分解するのは難しいでしょう。視直径が小さいうえに密集度が高いためです。
20cm
このクラスでも倍率を高めてようやく周囲の星が分解できるかどうか、という程度の見え方です。ただし中心が明るいので、見ていて楽しい対象です。シーイングが良ければ、思い切った高倍率をかけることで微光星がひじょうに集積した様子をうががうことができます。
30cm
空の条件の良いときには微光星が中心まで密集しているようすが観察でき、かなり見応えがあります。