メシエ天体ガイドM35
(ふたご座の散開星団)

M35M35 Map

  • M35(NGC 2168) ふたご座/散開星団(e)
  • 赤経 06h08.9m 赤緯 +24°20′
  • 等級 5.3等 視直径 30′ 距離 2,850光年

解説

ふたご座のカストルの足元に位置する、満月ほどの大きさのすばらしい散開星団です。小口径から大口径まで楽しむことができる美しい星団で、写真にもひじょうによく写るため人気が高いものの一つです。星数は500個とされています。すぐそば(15′)に11等級の小さく星が密集した散開星団NGC 2158があり、同一視野で観察できます。

見つけ方

ふたご座α星(カストル)から順にε星、μ星と3等星を追うと足元のη星にたどりつきます。M35はこのη星(3.1〜3.9等の変光星)の西北2°に位置しています。μ星、η星と結ぶと少し間延びした三角形を作るので、これを一度覚えてしまえば簡単に探せるようになります。η星からは6.0m西、1°50′北です。5.3等というデータからもわかるように、肉眼でも丸い星雲状の姿が見えます。ファインダーなら明るい星がいくつか見えて、散開星団であることがよくわかります。

双眼鏡

7×50の双眼鏡では細かい星が見えてきて、美しい散開星団の姿を堪能できます。空の暗いところではNGC 2158が小さな星雲状に見えるので、双眼鏡を三脚に固定するなどして、じっくりと観察しましょう。10×70ではさらにイメージが大きく明確になり、とても美しく見えます。M35は、双眼鏡でもじゅうぶん楽しめる散開星団です。

10cm

小望遠鏡の低倍率では星雲の上に明るい星がいくつか見えるという感じですが、10cmになると微光星もはっきり見えるようになり、片側の明るい星の配列が逆くの字を描いているのがわかります。倍率は40倍から60倍というところで、倍率を上げすぎると視野からはみ出てしまうため、かえってつまらなくなります。NGC 2158は倍率をあげると球状星団のように星雲状の光のかたまりの中に微光星が浮かび上がってきます。

20cm

この口径以上では、星団に含まれるすべての星を観察できるように感じられ、低倍率ではひじょうにすばらしい眺めとなります。NGC 2158も倍率をかければしっかり星に分解できて、こちらもとてもおもしろくなります。