M39
(はくちょう座の散開星団)
解説
はくちょう座には21個の散開星団がありますが、メシエ天体はM29、M39の2つしかありません。M29はγ星に近く、γ星付近を撮影した写真に写りますが、M39の方は、はくちょう座の十字形からやや離れ、隣のとかげ座の境界に近い位置にあるので、忘れられがちな存在です。しかし、M29よりも大きく、双眼鏡でもたやすく観察できるので夏の終わりごろに見ておきたい星団です。星数は約30個とされています。空の条件の良いところなら肉眼でもかすかに星雲状に見えます。
見つけ方
はくちょう座α星(デネブ)の北東7.5°に位置しています。近くにあるρ星、π星とは二等辺三角形をなしているので、これを目印にします。明るいので肉眼でも位置がわかりますが、天の川が特に濃くなったような印象を受けます。デネブ(1.3等)からは51.8m東、3°9′北です。明るいのでファインダーでも星がいくつか見えます。
双眼鏡
7×50の双眼鏡では明るい星が10個ほど三角形の形に並んでいるのがわかります。三角形の頂点にはそれぞれ8等級の恒星が位置しています。天の川の中なので、視野には微光星がたくさん見え、それを背景にしたM39の姿はなかなかきれいです。
10cm
40倍で視野いっぱいとなってしまいますから、できるだけ低い倍率で観察しなくてはいけません。倍率が高くては、まったくおもしろくありません。よく観察すると25個ほどの星が見え、二重星がいくつかあるのがわかります。
20cm
口径が大きくなっても見え方はほとんど変わりません。このように広がった散開星団は、望遠鏡を使うより双眼鏡で観察するほうが間違いなく美しく見えます。