M54
(いて座の球状星団)
解説
いて座の球状星団の中では、特に小さくひじょうに密集している星団です。中心部は比較的明るいので小口径でも位置はよくわかりますが、小さいのであまり見ごたえは感じられない球状星団です。1778年にメシエが発見しており「ひじょうに明るい星雲で、中心が明るく星はない」と記しています。星団には50個を超える変光星が見つかっています。天の川銀河ではなくいて座矮小楕円銀河に属する球状星団であることが明らかになっており、銀河以外のメシエ天体では唯一、天の川銀河の外にある天体です。
見つけ方
いて座の南斗六星のひしゃくの先端、ζ星から東へ約2°ほどのところに位置しています。ファインダーや双眼鏡では、ζ星と同一の視野に入ります。ζ星(2.6等)からは7.5m西、36′南です。ひじょうに小さい球状星団ですが、比較的明るいのでファインダーで位置はわかります。しかし恒星状にしか見えませんので、見過ごさないように注意しましょう。
双眼鏡
7×50の双眼鏡では、よほど注意していないとほとんど恒星状にしか見えず、球状星団には見えません。
10cm
いくら倍率をあげても小さな星雲状のままで、周辺部すら星に分解できないため、まったくおもしろくありません。どちらかというと、球状星団というよりも惑星状星雲のようなイメージに見えます。
20cm
この口径で見ても、10cmで見たときと大差はありません。やはり星雲状にしか見えず、あまりおもしろくありません。
30cm
ようやく周辺部が星に分解できるようになります。