M56
(こと座の球状星団)
解説
こと座にある球状星団で、メシエ天体の球状星団の中では一番小さく暗いもので、近くにM57やあれい星雲(M27)など派手な天体が多いため、つい忘れられてしまいがちですが、決して見にくいものではないのでぜひ観望してみましょう。M56は、1779年1月19日にメシエ自身が発見したもので、この日メシエは彗星を発見しています。メシエの使っていた望遠鏡では恒星に分離することができなかったようで、「星のない星雲で、ほとんど輝いていない」と記録しています。実際の大きさは33光年とされています。
見つけ方
こと座の四辺形のβ星とγ星の辺を、γ星側に延ばした先に、はくちょう座の有名な二重星であるβ星(アルビレオ)が見つかります。M56はアルビレオとγ星とを結んだ線の中間付近に位置しています。すぐそばに6等星があります。アルビレオ(3.1等)からは14.1m西、2°13′北です。ファインダーでもすぐに存在がわかります。恒星像をややぼかしたようなイメージで、見慣れてさえいればさほど苦労することもなく識別できるでしょう。
双眼鏡
8.2等ですが、小さな双眼鏡でも位置がわかりますし、恒星像とは違うことが判別できます。7x50の双眼鏡では、小さな丸い星雲状に見えてきます。
10cm
80〜100倍をかけると、空の状態が良ければ周辺部の星がいくつか分解できるようになります。小さく暗い割には見やすい対象です。これよりも小口径では丸い小さな星雲状にすぎず、あまりおもしろくありません。
20cm
130倍を超える倍率をかけると周辺部は確実に星に分解でき、おもしろい見え方となります。シーイングが良い時に200倍程度に倍率をあげると、星団の中心付近がぶつぶつと見え、ボールが浮かんでいるような球状星団の姿を実感できます。
30cm
中心部までかなり星が分解でき、とても美しい眺めとなります。