M57
(こと座の惑星状星雲:環状星雲)
解説
リング状に見えることで有名な惑星状星雲で、環状星雲、リング星雲、ドーナツ星雲などと呼ばれ、小口径の望遠鏡でも楽しむことができる夏の夜空の主役のひとつです。この星雲の正体は、寿命を迎えた星が放出した外層のガスが、残った中心星からの紫外線を受けて蛍光灯のように光っているものです。球状のガスの殻を遠くから見ているため、周囲がリング状に見えています。
見つけ方
こと座は1等星のベガと3等級の星で構成されていますが、M57はこの平行四辺形のうちベガから遠いほうの短い辺、β星とγ星の中間で、わずかにβ星よりに位置しています。β星(3.4等)からは3.5m東、20′南です。空の状態が良ければ、やや大きめのファインダーで位置が確認できます。
双眼鏡
明るさが9.3等というと暗く感じられますが、7×50の双眼鏡でも位置がわかり、わずかに恒星像がぼやけたようなイメージとなります。しかし慣れないと識別は難しいかもしれません。大きな対象ではありませんから、双眼鏡では残念ながら感動に欠けます。
10cm
10cm程度の望遠鏡を使えば、見て楽しい対象となります。その名の通り、小さな環が浮かんでいる姿を60倍程度で観察できます。これより小さい口径でもリング状の姿は確認できますが、好条件下でないと目が慣れていない人には難しいでしょう。M57のような惑星状星雲は、倍率をあげてもさほど薄れずに細部の構造が確認できるので、100倍を超える倍率をかけて観察してみるとよいでしょう。やや楕円形をしたリングの濃淡や、長い方の軸の両端がやや淡い様子もわかります。
20cm
大口径望遠鏡で見るM57は実に楽しい対象で、明るい街中でも確実にリングの存在がわかります。好条件下では、倍率を高くすると、リング全体に微妙な濃淡があることや、外周と内周の部分がやや明るいことが明瞭にわかります。
30cm
実に見事な姿となり、巨大な環の中に吸い込まれそうな感じがして、ますます楽しくなってきます。環の中心部にも淡い星雲が広がっている様子も見えてきます。