M59
(おとめ座の銀河)
解説
おとめ座銀河団の南東の端、おとめ座ε星近くに位置する銀河です。1779年4月に彗星を観測していたメシエがM58、M59、M60を見つけていますが、このうちM59とM60は同じ彗星を観測していたドイツのケーラーが数日前に発見しています。1939年に11.8等の超新星1939Bが出現しました。
見つけ方
淡い銀河ですから、ファインダーでとらえるのは難しいでしょう。おとめ座ε星から赤道儀の目盛環を使って導入するか、自動導入するのがおすすめです。おとめ座ε星(2.8等)からは、M59は20.2m、41′北です。
双眼鏡
7×50の双眼鏡や、より強力な10×70の双眼鏡でおとめ座ε星から西に視野を動かしていき、ρ星、27番星が視野の下側に入ったら、静かに北に向けていきます。すると、M58、M59、M60の3つの銀河が同じ視野に入ってきます。たいへん淡いので、好条件下でないと観察は難しいでしょう。3つの中ではM58が一番大きく明るいため、双眼鏡でも楕円の淡い光斑が認められますが、他の2つはごく小さな光斑でしかありません。7×50の双眼鏡で星雲状に見えますが、三脚に固定して視野を安定させる必要があります。
10cm
80倍程度の倍率となる広視界型のアイピースでは、M59とM60は同一の視野内で観察できます。この2つの銀河は実際に同じくらいの距離にある銀河です。よく観察すると、中心の核の部分がやや明るいことがわかります。
20cm
集光力が大きくなるためかなり見やすくなり、光芒の中の濃淡が見えるようになります。また、M59とM60を結ぶ線を底辺とした正三角形を南に作ると、頂点に12等級のNGC 4638というE5型の銀河がありますが、存在をはっきり確認するには30cmクラスが必要となります。