M60
(おとめ座の銀河)
解説
おとめ座銀河団の南東の端、おとめ座ε星近くに位置する銀河です。1779年4月に同じ彗星を観測していたメシエら3人の観測者が独立して発見しました。M49やM87と並ぶ最大級の楕円銀河で、質量は太陽の1兆倍もあります。2004年に超新星2004Wが出現しています。
見つけ方
淡い銀河ですから、ファインダーでとらえるのは難しいでしょう。おとめ座ε星から赤道儀の目盛環を使って導入するか、自動導入を利用するのがおすすめです。おとめ座ε星(2.8等)からは18.5m西、35′北です。M59とM60は同一視野に入るほど接近しています。
双眼鏡
7×50の双眼鏡や、より強力な10×70の双眼鏡でおとめ座ε星から西に視野を動かしていき、ρ星、27番星が視野の下側に入ったら、静かに北に向けていきます。すると、M58、M59、M60の3つの銀河が同じ視野に入ってきます。たいへん淡いので、好条件下でないと観察は難しいでしょう。3つの中ではM58が一番大きく明るいため、双眼鏡でも楕円の淡い光斑が認められますが、他の2つはごく小さな光斑でしかありません。7×50の双眼鏡で星雲状に見えますが、三脚に固定して視野を安定させる必要があります。
10cm
80倍程度の倍率となる広視界型のアイピースでは、M59とM60は同一の視野内で観察できます。この2つの銀河は実際にほぼ同じ距離にある銀河です。よく観察すると、中心の核の部分がやや明るいことがわかります。
20cm
集光力が大きくなるためかなり見やすくなり、北西に近接して11.5等級のNGC 4647というSc型渦巻星雲があるのがわかるようになります。ただ、淡い一様な小さな光斑としてしか見えないので、空が良くないと見落としてしまいます。また、M59とM60を結ぶ線を底辺とした正三角形を南に作ると、頂点に12等級のNGC 4638というE5型の銀河がありますが、存在をはっきり確認するには30cmクラスが必要となります。