M64
(かみのけ座の銀河:黒眼銀河)
解説
おとめ座からかみのけ座にかけての銀河団に属する銀河ではなく、より私たちの銀河から近くに位置しています。中心から少し離れたところにくっきりとした暗黒帯があり、大口径望遠鏡や天体写真では目のように見えることから「黒眼銀河(black-eye galaxy)」という別名があります。メシエは1780年にM64を見たという記録が残っていますが、その1年前の1779年4月4日にドイツのボーデが発見しており、彼が第一発見者とされていました。ところがさらに12日前の3月23日にイギリスのエドワード・ピゴットが発見して報告を残していることが2002年になって確認されています。
見つけ方
付近に明るい恒星がないため探しにくい対象です。かみのけ座35番星の1°ほど北東に位置していますが、うしかい座のアルクトゥールス(-0.0等)から赤道儀の目盛環を使って導入(1h18.9m西、2°31′北)するほうがずっと簡単でしょう。おとめ座ε星(2.8等)からは5.5m西、10°43′北です。ファインダーでもその位置はわかります。
双眼鏡
明るく大きな銀河なので、7×50の双眼鏡で楕円形をした光芒がわかります。南東側に視野をずらすと、春の空では珍しい球状星団M53が、M64よりさらに大きな丸い星雲状に見えます。
10cm
60倍程度で、きれいな楕円形の光斑を明瞭に観察できます。中心部が小さく明るいこともわかります。黒眼銀河の由来となった暗黒帯部分を認めるのは難しいでしょう。
20cm
80倍程度で観察すると、楕円形の光斑はひじょうにくっきりと輪郭を現すようになり、その中心部が明るく輝いているようすや、光斑の片側の端が黒く落ち込んでいることなどが、ようやくわかるようになってきます。条件が良いときには、中心の暗黒帯の存在がなんとかわかりますが、これを明瞭に識別するためには30cm以上の大口径望遠鏡が必要となります。