メシエ天体ガイドM68
(うみへび座の球状星団)

M68M68 Map

  • M68(NGC 4590) うみへび座/球状星団(X)
  • 赤経 12h39.5m 赤緯 -26°45′
  • 等級 8.7等 視直径 3′ 距離 33,000光年

解説

銀河が多い春の夜空では珍しい球状星団です。1780年にこれを発見したメシエは「からす座とうみへび座の下にある星のない星雲で、ひじょうにかすかであり、屈折望遠鏡で見るのは大変に難しい」と記録しています。視直径の小さな球状星団なので、メシエの使用していた小口径の望遠鏡では星に分離することができなかったのでしょう。

見つけ方

からす座から探すのが簡単です。からす座のいびつな四辺形の左辺にあたるδ星とβ星を結んで、この辺の半分ほどの長さをβ星方向に延ばした先に、その辺りでは最も明るい5.5等の星が見つかります。M68はその0.5°北東に位置しています。からす座β星(2.7等)からは5.1m東、3°21′南です。ファインダーで位置を探すのはちょっと難しく、暗い空と馴れた目がないと、見つからないでしょう。

双眼鏡

小さく暗い球状星団なので、かなり難しいですが、7×50の双眼鏡では小さな丸味を帯びた星雲状に見えます。

10cm

低倍率では丸い星雲状にしか見えませんが、シーイングの良いときに120倍程度に倍率を上げてよく観察すると、周辺部付近の微光星が見えてきて球状星団の雰囲気がわかるようになります。しかし、小口径ではあまり見ばえのしない対象です。

20cm

150倍程度で観察すると、周辺部が星に分解できるようになり、立体感あるボール状の姿が美しく眺められるようになります。

30cm

かなり迫力ある見え方となってじゅうぶんに楽しめます。