M69
(いて座の球状星団)
解説
いて座に数ある球状星団の中では、小さく目立たないものです。M54、M70と赤緯がほぼ同じなので、順に観察することができます。フランスのラカイユが1751年ごろに南アフリカ・ケープタウンでの観測でこの付近に星雲を見つけたと報告しており、これを確認しようとしたメシエが1780年にM69を発見しました。ラカイユが見たのはM69ではなく、近くにある星の集まりだと考えられています。
見つけ方
いて座の弓の中央にあたるδ星と、その南にあるε星を底辺とする正三角形の頂点からややε星寄りのところに位置しています。ε星(1.9等)からは7.2m東、2°2′北です。小さく暗い球状星団なので、ファインダーではその位置さえわかりません。
双眼鏡
7×50の双眼鏡を三脚に固定してじっくりと観察すると、なんとか位置がわかります。わずかににじんだ恒星状で、恒星ではないこともわかりますが、それ以上はわかりせん。ひじょうに小さな姿で、コマの小さい彗星と同じように、うっかりすると見逃してしまいます。
10cm
小さく丸い、暗い星雲状に見えます。ただM70よりは中心が明るいので見やすいでしょう。やはり小彗星に近いイメージです。この口径では周辺部を星に分解するのはとても無理です。
20cm
丸い星雲状にしか見えません。M54、M70と同様にあまりおもしろくありません。
30cm
200倍程度の倍率をかけると、ようやく周辺部が星に分解できるようになります。