M70
(いて座の球状星団)
解説
いて座にはたくさんの球状星団が散在していますが、M70はその中でも特に小さく暗いものです。1780年にM70を発見したメシエの望遠鏡では星に分解できず、「星のない星雲」と記録されています。1995年にはアメリカのアラン・ヘールとトーマス・ボップがM70の近くにあったヘール・ボップ彗星(C/1995 O1)を発見しました。
見つけ方
いて座の南斗六星のひしゃくの先端にあたるζ星と、弓のほぼ南端にあたるε星の、ほぼ中間付近に位置しています。小さなファインダーや双眼鏡では、暗いため位置さえわかりません。ε星(1.9等)からは19.0m東、2°5′北です。
双眼鏡
ひじょうに小さな球状星団で、7×50の双眼鏡を三脚に固定してじっくりと観察することで、ようやく見えるようになります。恒星状にしか見えないので、よく位置を把握していないと見逃してしまいます。
10cm
低倍率ではかなり小さな淡く丸い星雲状に見えますが、倍率をあげると薄れてしまい見にくくなってしまいます。もちろん周辺部を星に分解するのは無理です。
20cm
丸い星雲状にしか見えません。あまりおもしろい対象ではありません。M70を球状星団らしく楽しむためには、最低でも30cmクラスの大口径望遠鏡と条件の良い空が必要となります。