M71
(や座の球状星団)
解説
や座は全天で3番目に小さな星座です。目立つ明るい星はありませんが、4〜5等級の5つの星がきれいな矢の形を作っているので、空の暗いところならすぐに存在がわかります。この矢の中に、ひじょうにまばらな球状星団M71があります。その外見から、20世紀半ばまでは星が密集した散開星団だと考えた天文学者もいました。
見つけ方
矢の中央付近、γ星とδ星のほぼ真ん中に位置するので、空が暗いところではすぐにわかります。ただ、星座を見つけることが困難なほど条件が悪いところでは、わし座のアルタイルのほぼ10°北ということで探すほうがよいでしょう。アルタイル(0.8等)からは3.0m東、9°55′北です。
双眼鏡
このあたりは天の川の中で、双眼鏡では微光星が視野いっぱいに広がり、なかなかきれいな眺めです。M71はやや広がりのある星雲状として確認できます。口径の大きな双眼鏡では、微光星の中に浮かぶ星雲状の姿がきれいに眺められます。明るさが9.0等なので、好条件下でないと苦しいでしょう。
10cm
60〜100倍程度で周辺部が星に分解でき、それなりに楽しめるようになります。球状星団の中では星の密集状態がひじょうにまばらであるためで、これより小さな望遠鏡でも意外と観察しやすい天体です。
20cm
140倍程度でかなり微光星が見えてきて、見事な眺めとなります。中心部の密集した星雲状の見え方は、やはり球状星団の姿を示しています。
30cm
周辺部は見事な眺めとなりますが、中心は星に分解できず、星雲状のままです。