M75
(いて座の球状星団)
解説
いて座に属する多くの球状星団の中で一番東に位置し、やぎ座との境界付近で探しにくいため、ともすれば忘れられがちな対象です。天の川銀河に属するメシエ天体の中では最も遠方にあり、その距離は78,000光年とされています。1780年にメシャンが発見していて、メシエは1780年に「星雲状の天体と微光星の集合したもの」と記しています。実直径は88光年で、I型に分類されるもっとも密集した球状星団です。
見つけ方
いて座とやぎ座の境界付近で、すぐ近くに明るい星がないところに位置するため、ひじょうに探しにくいでしょう。やぎ座のβ星(3.1等)からは14.9m西、7°8′南です。小さい球状星団なので、ファインダーでは恒星状にしか見えません。
双眼鏡
7×50の双眼鏡を三脚に固定してじっくりと観察すると、恒星状の周囲がわずかににじんでいることがわかります。
10cm
かなり小さな丸い星雲状に見えます。100倍以上の倍率をかけても、周辺部の恒星を分解できません。
20cm
120倍程度の倍率で、丸い星雲状の光芒の周辺がぶつぶつした感じに見えてきて、球状星団らしくなってきます。もっと詳しく観察するためには、30cm以上の大口径望遠鏡と条件の良い空が必要です。