M84
(おとめ座の銀河)
解説
かみのけ座、おとめ座付近の銀河が密集した領域にある銀河です。1781年3月18日にメシエはこのM84を皮切りに9つもの天体をカタログに登録していますが、ほとんどがこのあたりの銀河です。M84は渦巻銀河と楕円銀河の中間のタイプです。1957年と1980年に超新星が見つかり、さらに1991年12月10日には日本の串田麗樹さんによって超新星1991bgが見つかっています。
見つけ方
狭い範囲に多数の銀河があるため、自動導入や赤道儀の目盛環を使って正確に導入しないと、観察している対象が目的の天体なのか自信がもてず困ります。M84はしし座β星(2.1等)から36.0m東、1°41′南です。
双眼鏡
淡いので、双眼鏡では難しい対象です。10×70の双眼鏡を三脚に固定し、丹念に観察すると淡い光斑の存在がわかります。
10cm
星雲状の光芒として見えます。M84とすぐ隣にあるM86は60倍程度で同一視野で観察できます。M84は楕円の小さい光斑で、M86はM84に比べてやや楕円であることがわかります。
20cm
10cmとあまり変わりませんが、よりはっきり見えるようになります。M84とM86はそれぞれ核の部分が明るいことや、周囲にあるNGC 4388、NGC 4435、NGC 4438といった10等級ほどの銀河が見えてきます。特にNGC 4435とNGC 4438はM86の北東側、M84の反対側に存在がはっきりわかります。