M86
(おとめ座の銀河)
解説
おとめ座銀河団に属する、楕円銀河(E3)ともレンズ状銀河(S0)とも言われる銀河です。M84からわずか20′のところにあり、同じ視野内で観察できます。このM86やM84から北東へいくつかの銀河がカーブを描くように並んでいる部分は「マルカリアンの鎖」と呼ばれています。
見つけ方
狭い範囲に多数の銀河があるため、自動導入や赤道儀の目盛環を使って正確に導入しないと、観察している対象が目的の天体なのか自信がもてず困ります。M86はM84の約20′東、しし座β星からは37.1m東、1°37′南です。
双眼鏡
淡いので、双眼鏡では難しい対象です。10×70の双眼鏡を三脚に固定して丹念に観察すると淡い光斑の存在がわかりますが、小さく丸いので恒星状にしか見えません。
10cm
星雲状の光芒として見えます。M86と、すぐ隣にあるM84は60倍程度で同一視野で観察できます。M86はM84に比べてやや楕円であることがわかり、M84は楕円の小さい光斑に見えます。
20cm
10cmとあまり変わりませんが、よりはっきり見えるようになります。M86とM84はそれぞれ核の部分が明るいことや、周囲にあるNGC 4388、NGC 4435、NGC 4438といった10等級ほどの銀河が見えてきます。特にNGC 4435とNGC 4438はM86の北東側、M84の反対側に存在がはっきりわかります。