星座八十八夜 #6 全天で一番の勇者「ヘルクレス座」
【2023年7月18日 アストロアーツ】
(「スマホで楽しむ星空入門」より抜粋)
見どころ
夏の夜空を見上げると、天頂(頭の真上)をはさんで、左(東側)に〈こと座〉のベガ、右(西側)に〈うしかい座〉のアルクトゥールスが輝いています。この2つの星の真ん中あたりに、6つの星が「H」の形に並んでいるのが見つかります。ここがヘルクレスの腰の部分で、さか立ちをしたかっこうになっています。
〈ヘルクレス座〉の頭にある星、α星のラスアルゲティは二重星。肉眼で見ると1つの星ですが、望遠鏡で観測すると2つの星があるのが見えます。ヘルクレスの腰のあたりにあるのは夏を代表する明るい球状星団「M13」です。望遠鏡で観測すると、つぶつぶとした星の集まりを見ることができます。
星座の起源
古代ギリシアに古くからあった星座ですが、本来は「ひざまづくもの」という名前で、特定の人物を指すものではないとされていました。ヘルクレス座という呼び方が定着するのはルネサンスのころです。頭のところの星ラスアルゲティの意味もアラビア語で「ひざまづくものの頭」です。
中国では、このラスアルゲティを「天帝の玉座」と考え、「帝座(ていざ)」と呼んでいました。そして、新星、流星、彗星などがこの星のそばに現れると、「客星、帝座を侵す」といって、天帝に不吉なことが起こるとされていました。
星座の物語
ギリシア神話には、ヘルクレスの12の冒険という壮大な物語が残っていて、多くの星座と関係があります。「ネメアの森の人食いライオン(〈しし座〉)退治」や「レルネの沼のヒドラ(〈うみへび座〉)退治(途中で、お化けガニ(〈かに座〉)が登場します)」の物語が有名です。中には、〈いて座〉や〈ケンタウルス座〉に関わる物語もあります。ギリシア神話の物語を思い出しながら、星座たちを見上げてみませんか?
88星座の見所を紹介!「スマホで楽しむ星座入門」
「スマホで楽しむ星座入門」では、いつどのように見えるの?星座誕生の由来は?などを星座一つ一つについて紹介。〈ヘルクレス座〉に関わる12の物語も解説しています!星空観察の入門にピッタリな一冊です。神話のエピソードや星座どうしの意外なつながりなども見えてきますよ。デジタルアーティストKAGAYAの美しいイラストが誌面を彩ります。
「スマホで楽しむ星空入門」では、星図アプリ「星空ナビ」とも連動。二次元コードをスマートフォンで読みとると、夜空の中で星座が見える方向を教えてくれる「ガイド機能」が使えます。見つけにくい星座も「星空ナビ」を使って、実際の夜空で探してみましょう!
関連商品
〈関連リンク〉
関連記事
- 2024/07/24 季節の星や星座を楽しめるプラネタリウム番組を無料で公開
- 2024/05/21 星座八十八夜 #88 南天で人気ナンバーワン「みなみじゅうじ座」
- 2024/05/17 星座八十八夜 #87 ケンタウルスにおそわれる「おおかみ座」
- 2024/05/14 星座八十八夜 #86 モノサシを組み合わせた形「じょうぎ座」
- 2024/05/10 星座八十八夜 #85 太陽にもっとも近い恒星がある「ケンタウルス座」
- 2024/05/07 星座八十八夜 #84 彫刻を作る道具「ちょうこくぐ座」
- 2024/04/30 星座八十八夜 #83 きらりと輝く散開星団が目印「かみのけ座」
- 2024/04/26 星座八十八夜 #82 授業で使った文房具「コンパス座」
- 2024/04/23 星座八十八夜 #81 大熊を追いかけている2匹の猟犬「りょうけん座」
- 2024/04/19 星座八十八夜 #80 ウソつきの罰を受けた白いカラス「からす座」
- 2024/04/16 星座八十八夜 #79 オリンポスの乾杯のさかずき「コップ座」
- 2024/04/12 星座八十八夜 #78 ラカイユの科学実験シリーズ「ポンプ座」
- 2024/04/09 星座八十八夜 #77 星座になった天体観測機器「ろくぶんぎ座」
- 2024/04/05 星座八十八夜 #76 北極星はこぐまのシッポ「こぐま座」
- 2024/04/02 星座八十八夜 #75 北斗七星はおおぐま座のシッポ「おおぐま座」
- 2024/03/29 星座八十八夜 #74 ライオンによりそう小ライオン「こじし座」
- 2024/03/26 星座八十八夜 #73 もっとも長~い星座「うみへび座」
- 2024/03/22 星座八十八夜 #72 目立たず運の悪い、わき役の星座「かに座」
- 2024/03/19 星座八十八夜 #71 空飛ぶ魚が星空に飛び出した「とびうお座」
- 2024/03/15 星座八十八夜 #70 喜望峰に実在する山の星座「テーブルさん座」