土星の環消失!皆既月食!2025年おすすめ天文現象10選
【2025年1月2日 アストロアーツ】
2024年は紫金山・アトラス彗星やペルセウス座流星群が話題になった年でした。
2025年も好条件の流星群、皆既月食、すばる食など楽しみな天文現象がたくさんあります。さらに、16年ぶりとなる「土星の環消失」シーズンでもあります。2025年に見ておきたい天文現象10トピックを紹介します。
★ 1月4日 しぶんぎ座流星群が極大
三大流星群の一つに数えられるしぶんぎ座流星群の活動が、1月4日0時ごろに極大を迎えます。しぶんぎ座流星群の活動は極大時刻前後に集中するので、1月3日深夜から1月4日未明ごろが最も活動が活発とみられます。月明かりの影響がまったくない好条件なので、空が開けている場所であれば1時間あたり15個前後は期待できそうです。しっかり防寒して楽しみましょう。
★ 1月12日 2年2か月ぶりに火星が地球と最接近、今回は小接近
火星と地球は約2年2か月ごとに軌道上で横並びになり、最接近します。1月12日の最接近時の距離は約9600万kmで、最接近とはいえ今回はかなり遠い「小接近」となりますが、火星と地球の距離がこれよりも小さくなるのは6年以上も先なのでぜひ見ておきましょう。このころの火星は−1.4等級と明るく、冬の星空の中で特徴的な赤さで輝いています。星ナビ2025年2月号では、火星騒動の歴史について紹介する記事を掲載しています。
★ 3月、8月、11月、12月 2025年はすばる食が4回
2024年から2025年にかけて、月が星団を隠す「すばる食(プレアデス星団食)」が頻繁に起こります。「すばる」とはおうし座の肩の部分にある星の集まり(散開星団)のことです。2025年に日本で夜間に見られるすばる食は、3月5日、8月16~17日、11月6~7日、12月31日です。星団の星々が隠されて消えていく光景は非常に面白いです。食の時刻や、月が星団内のどこを通過するかは場所によって異なるので、「ステラナビゲータ」や「アストロガイド 星空年鑑 2025」などで事前に調べておくのがおすすめです。
★ 3~5月と11月ごろ、約16年ぶりに土星の環が消失
2025年は土星の環の消失シーズンにあたり、3月24日から5月7日ごろ、11月25日ごろに環が(見かけ上)消失して見えなくなります。観測には望遠鏡が必要です。科学館での観望会やYouTube配信などを事前にチェックしておきましょう。約16年ごとにやってくる特別なシーズンなので、時期前後の細い環の様子も含めてぜひ観望してみましょう。
★ 5月上旬ごろ 火星とかに座のプレセペ星団が大接近
4月下旬から5月中旬ごろにかけて、宵空で火星がかに座の真ん中にあるプレセペ星団に大接近します。最接近は5月5日ごろです。最接近のころだけでなく継続的に観察し、火星がプレセペ星団を西から東へと通り過ぎていく様子を追ってみましょう。
★ 8月中旬ごろ 金星と木星が大接近
8月上旬から中旬にかけて、未明から明け方の空で金星と木星が接近して見えます。最接近する8月12日ごろには1度未満まで近づき、50倍程度の天体望遠鏡で同時に見ることができるほど!2惑星の位置変化の様子を自由研究にまとめるのもおすすめです。
★ 9月上旬ごろ 金星とプレセペ星団が大接近
8月下旬から9月上旬ごろにかけて、未明から明け方の空で、明けの明星の金星がかに座のプレセペ星団に大接近します。最接近は9月1日ごろです。双眼鏡で観察すると、金星の近くに星々が群れている光景を楽しむことができるでしょう。
★ 9月8日 全国で皆既月食
9月8日の未明から明け方に皆既月食が起こり、日本全国で見られます。1時27分に部分食が始まって月が欠けていきます。月が地球の影に完全に入ってしまう皆既食は2時31分から3時53分、月食(部分食)の終了は4時56分です。進行は全国同時ですが、月の方位や高度は場所により異なるので、自分が観望する場所での見え方を事前に確認しておきましょう。
★ 12月14~15日 ふたご座流星群が極大
三大流星群の一つに数えられるふたご座流星群の活動が、14日17時ごろに極大を迎えます。一番の見ごろは14日宵から15日未明にかけて。月明かりの影響は小さいので、1時間あたり20~30個ほどの流れ星が見えそうです。防寒準備をして空を見上げましょう。
★ 2025年は皆既日食・金環日食ともになし、国外で部分日食が2回
2025年は全世界的に見て、2回部分日食が起こります(皆既日食・金環日食は起こりません)。3月29日はヨーロッパやアフリカ北西部などで、9月22日はニュージーランド、タヒチなどです。インターネット中継や、現地への観光のついでに観望するのも良さそうです。
2025年も星空を楽しもう
この記事で紹介する現象以外にも、2025年は楽しみな天文現象がいっぱいです。2025年の天文現象をもっと詳しく知りたい方には「アストロガイド 星空年鑑 2025」がおすすめ。見どころの天文現象をまとめた「天文現象ハイライト」のほか、期待の彗星の観測方法や撮り方の特集記事もあります。カレンダー「星空こよみ ASTROGUIDE CALENDAR 2025」は自分の予定と星空の予定をセットで見られます。
さらに、星ナビ2025年1月号は、2025年の天文現象がコンパクトにまとまった「星空ハンドブック2025」が付録。特集は2024年の天文トピックの総復習と2025年の天文現象の予習がまとめて行える「星のゆく年くる年」です。2024年にあったことを振り返りながら、2025年の計画が立てられるので、年末年始のお供にぴったりです。
2025年も楽しい天文現象に恵まれる、素敵な一年になりますように。
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