期待の彗星!流星群!1等星食!2024年おすすめ天文現象10選
【2024年1月9日 アストロアーツ】
2023年はふたご座流星群、惑星のランデブー、アンタレス食などが話題になった年でした。
2024年も期待の彗星や好条件の流星群、1等星食など楽しみな天文現象がたくさんあります。2024年に見ておきたい10現象をセレクトして紹介します。
★ 3月~4月 ポン・ブルックス彗星が見ごろ
3月から4月にかけて、ポン・ブルックス彗星(12P/Pons-Brooks)が比較的明るくなると予測されています。4月はおひつじ座を東進していき、20日ごろまで夕方の西北西から西の低空に見えます。最も明るくなると予想されている4月中の明るさは5等級前後と予測されています。
★ 4月9日 皆既日食(北アメリカ)
4月9日(日本時間、現地時間では8日)、メキシコからアメリカ合衆国の中東部、カナダ東部などで皆既日食が見られます。日本ではまったく見られません。皆既食となるのは日本時間では午前3時ごろ(観測地がメキシコの場合)で、継続時間は最長で約4分30秒です。中継で見たい場合には時間をよくチェックしておきましょう。
★ 5月6日 みずがめ座η流星群が極大
5月6日、みずがめ座η(エータ)流星群の活動が極大となります。極大時刻は6時ごろと予測されているので、6日の未明から明け方が見ごろです。放射点が位置するみずがめ座が南東の空に見えるタイミングと極大時刻が一致しており好条件です。また、新月前で月明かりの影響がほぼないことも好都合で、みずがめ座η流星群としては最高条件と言えます。見晴らしが良いところでは1時間あたり10~15個程度の流れ星が期待できます。
★ 8月12日 ペルセウス座流星群が極大
8月12日、ペルセウス座流星群の活動が極大となります。極大時刻は23時ごろと予測されているので、12日深夜から13日明け方が一番の見ごろとなります。放射点が高くなっていく時間帯に極大を迎えることに加えて、22時30分前後に月が沈むと月明かりの影響がなくなることから、今年のペルセウス座流星群はかなり好条件です。数は減りますが、前後数日間も見ることができます。
★ 8月中旬 火星と木星が大接近
8月上旬から下旬ごろ、未明から明け方の東の空で、火星と木星が大接近して見えます。最接近は8月15日ごろで、約0.3度まで近づきます。満月の見かけ幅より近い超大接近で、100倍程度の天体望遠鏡の同一視野内に2惑星が入るので見逃せません。並び方の変化を追うのも面白いでしょう。2惑星の周りには早くも冬の星座たちが見えています。
★ 9~11月 紫金山・アトラス彗星が見ごろ
9月下旬から11月にかけて、紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3; Tsuchinshan-ATLAS)が明るくなると予測されています。9月28日に太陽に最接近し、この数日前から10月初めごろまで明け方の東の低空に姿を現します。また,10月中旬以降は夕方から宵の西の空に見えます。アストロガイドやモバイルアプリなどで位置をよく確かめて、見晴らしの良い場所で観察や撮影を楽しみましょう。
★ 10月3日 金環日食(南太平洋、チリ、アルゼンチン)
10月3日(日本時間、現地時間では2日)、南太平洋のイースター島やチリ、アルゼンチンなどで金環日食が見られます。日本ではまったく見られません。金環食となるのは日本時間では午前4時ごろです。中継で見たい場合は時間をよく把握しておきましょう。
★ 12月8日 土星食
12月8日の18時30分ごろから19時ごろにかけて、月齢7の上弦の半月が土星を隠す土星食が起こり、東北地方から近畿・四国地方で見られます。7月25日に続く、2024年2回目の現象です。東京の場合、月の暗い縁に土星が潜入して隠れるのは18時20分ごろ、明るい縁から土星が出現するのは19時1分ごろです。潜入・出現の時刻や月の高度、月の縁のどこに見えるかは観察場所によって異なるので、シミュレーションなどで事前によく確かめておきましょう。また、食が終わった後の夕方から深夜には、南西から西南西の空で月と土星が大接近している様子が見られます。
★ 12月14日 プレアデス星団食
12月14日の3時ごろから5時ごろにかけて、月齢12~13の満月前の明るい月がおうし座のプレアデス星団(M45、すばる)を隠す星食が起こります。見られる地域は青森県つがる市・岩手県久慈市付近を結ぶラインより南の地域です。東京の場合、星団中の最輝星である3等星のη星アルキオーネが月の暗い縁に潜入して隠れるのは4時4分ごろ、明るい縁から出現するのは4時45分ごろです(潜入・出現の時刻や月の高度、月の縁のどこに見えるかは観察場所によって異なります)。
★ 12月25日 スピカ食
12月25日の3時ごろから4時ごろにかけて、月齢23~24の下弦過ぎの月がおとめ座の1等星スピカを隠す恒星食が起こります。見られる地域は北海道函館市付近より南の地域です。東京の場合、月の明るい縁にスピカが潜入して隠れるのは3時17分ごろ、暗い縁からスピカが出現するのは4時13分ごろです(潜入・出現の時刻や月の高度、月の縁のどこに見えるかは観察場所によって異なります)。肉眼でも見えますが、双眼鏡や天体望遠鏡のほうが観察しやすいです。
2024年も星空を楽しもう
この記事で紹介する現象以外にも、2024年は楽しみな天文現象がいっぱいです。2024年の天文現象をさらに詳しく知りたい方には「アストロガイド 星空年鑑 2024」がおすすめ。見どころの天文現象をまとめた「天文現象ハイライト」のほか、期待の彗星の観測方法や撮り方の特集記事も。卓上カレンダー「星空こよみ ASTROGUIDE CALENDAR 2024」は自分の予定と星空の予定をセットで見られます。
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