X線天文衛星「すざく」が大気圏再突入
【2025年1月8日 JAXA宇宙科学研究所】
日本時間1月5日23時41分ごろ、X線天文衛星「すざく」(ASTRO-EII)が、南太平洋上空で大気圏に再突入した。
2005年7月に日本で5番目のX線天文衛星として打ち上げられた「すざく」は、当初の目標寿命の2年を大きく超えて2015年8月まで約10年にわたり観測を続けた。広いX線エネルギー(波長)範囲にわたって世界最高レベルの感度を有した「すざく」は、恒星から銀河団に至る様々な天体のX線観測を通じて、ブラックホール近傍での物質の振る舞い、銀河・銀河団の形成進化など、数多くの重要な科学的成果をもらたしてきた。
「すざく」で培われた技術や知見は、2023年9月に打ち上げられたX線分光撮像衛星「XRISM」などに引き継がれ、発展を続けている。
関連記事
- 2023/09/07 X線分光撮像衛星「XRISM」と小型月着陸実証機「SLIM」、打ち上げ成功
- 2016/07/19 2020年を目標に「ひとみ」の後継機打ち上げ
- 2016/05/26 JAXA、「ひとみ」の異常事象報告書などを文部科学省へ提出
- 2016/04/28 X線天文衛星「ひとみ」の復旧断念
- 2016/04/18 「ひとみ」姿勢異常の推定メカニズムを公表
- 2016/04/11 「ひとみ」をすばる等で観測、通信は依然復旧せず
- 2016/03/28 X線天文衛星「ひとみ」が通信異常
- 2016/02/17 X線天文衛星「ひとみ」打ち上げ成功
- 2015/10/21 「すざく」観測で判明、1000万光年スケールで均一な元素組成
- 2015/08/27 X線天文衛星「すざく」が観測終了
- 2015/06/15 X線天文衛星「すざく」が通信不安定に
- 2015/03/27 銀河中心ブラックホールが大量の物質を吹き飛ばす
- 2015/03/18 超新星残骸に大量のニッケル 究極的核融合プロセスの初証拠
- 2014/09/19 ガスが増えると切り替わる、銀河中心ブラックホールのX線放射
- 2013/11/05 「すざく」が明らかにした鉄の大拡散時代
- 2013/07/08 Ia型超新星の名残から、非対称な爆発を示す元素分布を観測
- 2013/04/10 「ケプラーの超新星残骸」が示唆するIa型超新星の多様性
- 2013/04/08 ブラックホールに落ち込むガスの急激な加熱 100分の1秒で10億度以上に
- 2013/02/21 高速回転する超大質量ブラックホール
- 2011/11/29 回転ブラックホールが作る宇宙の「竜巻」