野辺山45m電波望遠鏡が「IEEEマイルストーン」に認定

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国立天文台 野辺山宇宙電波観測所の45m電波望遠鏡が「IEEEマイルストーン」に認定された。高い性能やそれを活かした数々の成果などが評価されたものだ。

【2017年6月15日 国立天文台三菱電機

国立天文台と三菱電機により開発され1982年に完成した野辺山45m電波望遠鏡(長野県南佐久郡南牧村)が、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)から「IEEEマイルストーン」に認定された。

この制度は電気・電子・情報・通信分野において達成された画期的なイノベーションの中で、開発から少なくとも25年以上経過し、地域社会や産業の発展に多大な貢献をしたと認定される歴史的業績を表彰するものだ。同望遠鏡が数多くの技術的な困難を克服して当時世界最大のミリ波電波望遠鏡として高い性能を実現し、巨大ブラックホールの発見など画期的な成果を挙げ、現在に至るまで世界第一線の電波望遠鏡として活躍し続けていることが評価されたものである。

「IEEEマイルストーン」銘板
贈呈された「IEEEマイルストーン」銘板(提供:プレスリリースより)

野辺山45m電波望遠鏡の構想は今から50年前の1967年までさかのぼる。当時まだ未開拓であった電波領域であるミリ波で、宇宙の様々な分子の電波を分光観測し、星の形成過程や天の川銀河の構造など宇宙の新しい観測分野を開拓しようという計画のもと、それまでの世界最大の電波望遠鏡の口径が11mだった時代に45mの電波望遠鏡を開発した。

野辺山45m電波望遠鏡
野辺山45m電波望遠鏡(提供:国立天文台)

観測開始から35年を経過した現在でも、野辺山45m電波望遠鏡は波長3mm近辺のミリ波観測では世界最高性能の電波望遠鏡の一つだ。計画当時の構想がいかに先進的であったかをうかがい知ることができる。当時開発・投入された多くの画期的な新規技術は、現在の大型望遠鏡やアンテナでも用いられる必須技術となっている。

国立天文台長 林正彦さんのコメント

野辺山宇宙電波観測所の45m電波望遠鏡が、IEEEマイルストーンの認定を受けたことは、国立天文台としてたいへんな栄誉であり、誠に喜ばしく思います。45m電波望遠鏡は、日本が初めて臨んだ大型望遠鏡計画であり、巨大ブラックホールの発見など画期的な成果を挙げ、その後のすばる望遠鏡やアルマ望遠鏡への端緒となるものでした。ご支援いただいた多くの皆様に感謝申し上げるとともに、この栄誉をともに喜びたいと存じます。

三菱電機株式会社 執行役社長 柵山正樹さんのコメント

45m電波望遠鏡が栄誉あるIEEEマイルストーンに認定され、たいへん光栄で誇らしく感じております。また、このような歴史に残る製品の開発・製造の機会を与えてくださった国立天文台の諸先生方に深く感謝いたします。今後も当社は「持続可能な社会」と「安全・安心・快適性」が両立する豊かな社会構築に貢献する「グローバル環境先進企業」を目指してまいります。