ロングガンマ線バーストと超高輝度超新星との関係
【2018年4月20日 CfA】
太陽の8倍程度以上の質量を持つ大質量星は一生の最期に、中心部の鉄の核が星の重力でつぶれ、その反動で星全体が吹き飛ぶ重力崩壊型の超新星爆発を起こす。
このような超新星のうち、とくに「超高輝度超新星」と呼ばれる珍しいタイプのものは、通常の超新星の10~100倍以上(太陽の100億倍以上)もの明るさで輝くが、どのようにしてこれほど明るくなるかというメカニズムははっきりとはわかっていない。爆発前の大質量星が放出した外層に超新星爆発時に飛び散った物質が衝突して生じたエネルギーによるものだという説などが考えられているが、最も支持されているのは、超新星爆発の後に残される中性子星や降着円盤を持つブラックホールといった、自転するコンパクト天体から必要なエネルギーが供給されるというモデルだ。
これら中性子星のような高速自転するコンパクト天体の回転エネルギーは、宇宙最大の爆発現象であるガンマ線バーストのうち、数秒から数分間継続する「ロング(長い)バースト」という現象のエネルギー源ではないかと考えられている。超高輝度超新星とロングガンマ線バーストの間には関連があるらしいとみられていることも、超高輝度超新星のエネルギー源が回転するコンパクト天体であるという説を後押しする。
米・ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのMatt Nichollさんたちの研究チームは、超高輝度超新星とロングガンマ線バーストに関する統一モデルを発表した。
このモデルは、非常に強力な磁場を持ち高速で自転する中性子星の一種「マグネター」の自転軸と磁気軸がわずかにずれていると、自転エネルギーのかなりの部分が超高輝度超新星と、ロングガンマ線バーストを生じさせうる光速に近い速度の粒子ジェットの両方にエネルギーを与えるというものだ。このモデルでは、電波放射などの効果を予測したり、超高輝度超新星とロングガンマ線バーストに現れる短い効果を扱ったりできる。
〈参照〉
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