- John Wiley & Sons Inc
- 23.1×19cm、288ページ(ペーパーバック)
- ISBN 978-0-471-69657-5
- 価格 1,966円
- ※洋書の価格は為替相場に応じて変動します。ご了承ください。
著者は米国の有名天文月刊誌Sky & Telescope誌で複数ページの定期連載を書いている。その天体観測に関する幅広い知見には定評があり、評者もよく勉強させてもらっている。この本のとくにユニークな点は、表題からも読み取れるが、肉眼の広い視野で見る天体現象から、望遠鏡のせまい視野で見るものまで段階的にまとめている点だ。このような本のまとめ方は、少なくともこれまでの和書には見られない。
例えば視野180〜100度の範囲で日食時の情景や流星雨・オーロラなど7項目が、100〜50度では北斗七星やオリオンなどの星群3項目、50〜15度で最大離角での水星・金星や肉眼彗星、星座全般など7項目、15〜1度では月食・日食のクローズアップ、星食・惑星会合、変光星、天の川など17項目、1度以下で日月惑星面、日面経過、星雲星団・銀河など16項目と、要するに全天体の観測ガイドなのだ。
あらためて申し上げるが、こんな構造の天文書は珍しい。さらには、高校生でも読みこなせそうなやさしい英文なのも嬉しい。持っているのが、ちょっと自慢できる本ですよ。