- Cambridge University Press
- A4変型判、338ページ
- ISBN 978-0-521-81803-2
- 価格 5,332円
- ※洋書の価格は為替相場に応じて変動します。ご了承ください。
価格は清水の舞台から、というよりナイアガラの滝から飛び降りるほどだが、内容は天国にも飛び上がるようなすばらしい恒星物理学の書。イリノイ大学名誉教授が書いた本書の内容は質が高く読みやすく理解しやすい、と同時に、まったく視点も説明も新鮮なものだ。
日本では、まったく残念なことに、アマチュア向けハイレベル恒星物理の和書を、書店書棚に見かけることがない。よって、本書評で、これまで本書のようなエンサイクロペディアをご紹介できなかった。内容の正鵠を期するために、項目をすべて英語で紹介しよう。
1 Stars and Constellations、2 Location、3 Magnitudes、4 Distances、5 The Galaxy in motion、6 Spectra and the HR diagram、7 Stellar properties、8 Double and multiple stars、9 Star clusters and associations、10 Variable stars、11 Star formation、12 Sun and main sequence、13 Stellar evolution、14 High - mass evolution。加えて種々の付録と本の紹介、索引が続く。
美麗な図版と写真が多いが、説明は微に入り細に入り、各項目ともよくもこんなに文字を書いたと呆れるほど小さな文字がA4版330ページに詰まっており、評者のごとき老人には少々電車中で読むのが辛かったほどだ。
おすすめはBox記事。周期3.97日のケフェイドで、前世紀始め変光幅が0.12等もあった北極星が、世紀末にはたった0.03等に減り、変光をやめそうになっている。今後果たしてどうなるか、など、その他最新知識・情報が満載だ。
もちろんこれほどの額をあなたが負担されるのは、一種の賭けだ。だが、評者のクビは賭けられないが、購入者の皆さんが満足できないことはないだろう! 本書評でご紹介するくらいであり、評者の目が黒いうちは、我が家に泥棒が入らない限り、本書が書斎コーナーから消えることはないからだ。