- Willmann-Bell
- A4変型版、105ページ
- ISBN 978-0-943396-21-7
- 価格 3,150円
- ※洋書の価格は為替相場に応じて変動します。ご了承ください。
本書を手にして本文を読んだ時、これは予想していたとおり、表計算ソフトで日食計算ができそうだとわかった。大変簡単な英語で、しかもメーウス氏らしく、途中の式展開に省略がなく、実に丁寧でわかりやすい。その上、メーウスさんの他の著書同様、REMARKSがまたまたおもしろく有益な情報をもたらしてくれる。
例えば、2013年11月3日に大西洋上やアフリカで見ることができる金環皆既日食は、その中心食線上でまず金環で始まるが、15秒後に皆既日食になったまま終りまで行くという珍しいものになると言う。ふつう、この手のものは金環で始まったとき(日の出時)、正午前後で一端皆既になるが、終わるころ(日没時)再び金環に戻るものだ。だが、これはそうならず、このようなものは次が2172年10月17日(ステラナビゲータによれば南アフリカの大西洋側洋上で)日没時に見えるものまでないという。
あるいは来年7月22日の奄美皆既日食(皆既食継続時間6分44秒で21世紀最長)は、1955年6月20日に同じく長かった(7分12秒で20世紀最長)シリーズで有名なサロス番号136に属し、シリーズ開始1360年6月14日、シリーズ終了2622年7月30日(これでも期間は特に長いと言うわけではない)ということを教えてくれる。
実は、評者は今年80歳になられるメーウスさん(ベルギー・ルーヴァン大学数学科卒でブリュッセル空港気象予報官の天文計算家)のファンで、氏が出版した著書をほとんど所有している。あいにくすべてが英語の本だが、そのどれもがみなさんにおすすめできるもの。本書もその一つとしてぜひおすすめしたい。数表と言えば数表だが、その活用方法は皆さん次第で無限である。