- Power House Books
- 30cm×16.8cm、250ページ
- ISBN 978-1-57687-498-1
- 価格 2,550円
- ※洋書の価格は為替相場に応じて変動します。ご了承ください。
こんなの初めて読んだ(見た)というべき本、というか資料集。言ってみれば宇宙服専門のカタログ。それもヘルメットから肩伸縮部分、ベルトと紐、手袋、靴までの部品を含めて、詳細な説明と近接写真が、あれもこれもと掲載されているのだ。
記事は一種の年表でもあり、年を追って編集されている。まるで潜水服のような初期(それも有人宇宙飛行なんて夢のまた夢だった1930年代)のものから、宇宙服というより戦闘機パイロット服というべき1950年代のもの、そしてアポロ宇宙飛行士の懐かしい服を着用して野球をやっている写真なんて、珍しいを通り越している。
その写真は、宇宙服が機能的であることを強調したものだが、キャッチャーが中腰で構え(座れないらしい)、バッターがボールを打とうとしている写真で、やはりぎこちなさを感じてしまう。だが、その後の写真を見る限り、ヨガでもできるかもしれないといえるほど柔軟そうな素材と機能性が、ページをめくるごとに展開される。それらの写真を見れば、宇宙服ってこんなに屈曲できるのかと不思議に思うほどだ。宇宙服内部の冷却構造がわかるような透視写真も用意されている。
その後のスカイラブ、アポロ・ソユーズからスペースシャトルでの宇宙服まで、宇宙服のオンパレード。だが、巻末掲載の一覧表(なんと433種)を見る限り、宇宙服はその基礎がアポロ月探査で完成されたようだ。宇宙服に特化しない一般の宇宙旅行マニアの方々にもおすすめの一冊である。