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Book Review

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

The Complete Idiot's Guide to Astronomy

表紙写真

  • Christopher, Ph.d. Depree、Alan Axelrod 著
  • Alpha Books
  • 22.6 x 18.5cm、336ページ
  • ISBN 978-1-59257-719-4
  • 価格 2,534円
  • ※洋書の価格は為替相場に応じて変動します。ご了承ください。

日本では、専門書はやたら高度で難しく、普及書は孫引きだらけで独自性が無いが、英語の本は、たぶん科学が教育に根付いているためだろう、専門書でもわかりやすく、普及書でもピリリとスパイスが利いた本が多い。本書はドクターが書いた普及書であり、簡明な英語の本文のほかに、適所にふんだんに挿入された“Astronomer's Notebook”、“Astro Byte”、“definition”、“Close Encounter”というコラムがひじょうに面白い。ここだけでも、読む価値がある。

例えば、ハッブル宇宙望遠鏡の本文説明にある“Astro Byte”を、原文のやさしい英語で引用しよう。

At a cost of $3 billion, the Hubble Space Telescope is one of the most expensive scientific instruments ever made. However, considering the wealth of scientific information it has produced, the Hubble is a bargain.

多数のマメ知識が盛り込まれ、読めば読むほどそれらが整理整頓される感じだ。もし外国人から現代天文学通論はどれかとたずねられたら、評者は間違いなく本書を推薦する。ありがたいことに廉価。天体画像や説明図がすべてモノクロだからだ。

しかし、200点余りの画像が付録CD-ROMに入っているのがミソ。パソコンがあれば、どこでもいつでも画像をじっくり眺めることが可能なのだ。天体画像や説明図を集中して見ていると、新しい発想ができるような気がして、いいですよ。それにしても、宇宙は進化し、書籍も進化する。

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