タイトルですぐおわかりいただけるように、アポロ11号宇宙飛行士が月面に行った40周年を記念して出版された本。本書は明らかにアメリカのこども向けの本だが、大人が読んでも楽しくなる、色々な意味でこんな本見たことが無いといえる本だ。

例えば、司令船船長マイケル・コリンズの手紙（自筆らしい）や12歳のころの写真、ジュール・ベルヌ「月世界旅行」の実物・挿絵（いずれも初版本クラス）、初の宇宙飛行動物（犬）ライカの絵葉書、演説するケネディー大統領の名刺サイズの写真、サターンV型ブースターや司令船の詳細な説明図、アポロ11号ワッペン、記者章、食事メニュー、アームストロング船長の歴史的名言 "That's one small step for a man, one giant leap for mankind" 前後の交信全文、月面に置いてきた "Here Men From The Planet Earth First Set Foot Upon The Moon July 1969, A.D. We Came In Peace All Mankind" の銘版、11号着陸地点周辺の地図、ニューヨーク・タイムズ紙のヘッドライン・ニュースなどなど、多分宇宙開発史の研究者もあまりお目にかからないような、貴重な資料が満載なのである。あっと驚くようなオマケも用意されている。それは本書をご購入後、探し出していただきたい。

アメリカ人にとって、いかに人類初の月面着陸が大事に思われているかが、派手で手が込んだ本書を読んで、いや見て、評者は痛烈に感じてしまった。ポップアップ的でまさしくこども向けの体裁ではあるが、マニアは絶対に喜ぶであろう。一家に一冊、本書があれば、アポロ11号のセレブレーションに充分だ！