- 朝日新聞出版
- 240ページ
- 978-4022950468
- 定価 891円
国立天文台の副台長で国際天文学連合副会長、これまでも種々な著書やテレビ番組出演であまりにも有名な天文学者。その先生が、副題のテーマを誰にも判りやすく書いた本というのが、本書である。天文学者ファンデカンプが、その動きの奇妙さから遂に見つけたと信じたバーナード星の伴星の存在に始まり、最初のドップラー法での発見となったあのペガスス座51番b星や、トランジット法で発見されたペガスス座のHD 209458、そしてホットジュピターやエキセントリック・プラネット、スーパー・アースなど横文字ばかりが並ぶこの業界での常識とされる知識が、本書では実に丁寧に、しかも易しく説明されている。入門書としてどなたにもお勧めできる好書である。
ところで、評者が一番(といってもわずかな時間)考え込んだのが、本書第三章などに登場する棚部浩義教授と山田真一院生だ。この人達はいったい誰だろう? この内に一人は、明らかに福島県ご出身の著者である。理由は単純、福島のお爺さんのことが記されているからだ。一方、棚部先生の方はやや正体不明。本書ではご専門が系外惑星学で、ヘビースモーカー。ハワイ・マウナケア天文台で吸うたばこは旨くないという。高山という立地にその理由があるのだそうだ。いずれにしても、この人はいったい誰だろう。国立天文台に近々伺って、お聞きしてみようか。どうでも良いか。