- KADOKAWA/角川書店 刊
- 18.8×13cm、207ページ
- ISBN 978-4044095000
- 価格 1,512円
飛んでもなく or 突拍子もなく or 徒轍(とてつ)もなく:度外れて or 物凄く or 驚天動地の等々、並みでない凄さを表現する言い方は多数あるが、評者が毎晩アルマーズやベテルギウス、極小が観測できる夜に限ってアルゴルの観測を開始する瞬間は、いつもハラハラドキドキの、おもしろい宇宙である。だってそうでしょう? 今それを見ている人物は、おそらく評者しか居ないのだから。
兎も角筆者がおっしゃるとおり、宇宙はとんでもなくおもしろい。本書を読む前から宇宙はおもしろいのだが、読んだら間違いなくおもしろくなるのが本書である。もう何百年と続けて観測されている太陽についてのお話は、太陽物理学者として著名な筆者の独擅場! 第一章と第四章に分けて解説されている。
特に、ここではとてつもなくと表現された磁場の話や、いわゆる磁気リコネクションが判りやすく説明され、先生の本領発揮である。評者が学生時代(今から半世紀も前)に鈴木敬信先生からお答え戴いた「コロナが100万度という理由は判っていない」という原因が、未だに判っていないが、対立しているナノフレア説と波動加熱説の合いの子(お互いを保管しあう)という著者の主張が、とんでもなくおもしろかった! 詳細は本書で。
フェルミのパラドックスとUFO好きの著者の合意点はどこに? も、誠に興味深い。