- KADOKAWA/中経出版 刊
- 14.8 x 10.4cm、223ページ
- 2014年1月
- ISBN 978-4046001207
小学校でも習う+−×÷(√は中学校で)の起源は、小学校はもちろん中学でも高校でもはたまた大学でも習わない。多くの読者は、この本で初めて知るということになるだろう。本書は題名通り、数学記号の起源論という異色の文庫本だ。そればかりでなく、数学英語の語源論の書でもある。おかげで、筆者がかねてから収集してきた科学英語の語源辞典もアイテムが倍増…とまでは行かないが、相当量増加した。
ところで、なぜこの本を「金井三男のこだわり天文書評」でご紹介しようと考えるに至ったか?数学と科学はその研究上切っても切れない仲のもの。例えば、=(イコール=等しい)とエクアドル(南米の)と赤道(イクエイター)と天の赤道(セレスティアル・イクエイター)とみずがめ座(アクエーリアス)と春秋分点などの分点(エクイノックス)は語源が同じであること、知っていました?
また、logはいずれ科学者になるごく少数の人々が親しみを感じるが、大多数の人々からは忌み嫌われている用語。これで理系から文系に志望を変えた人が多い。これを考案したのが数学者にして天文学者といわれるオランダのネイピアだ。これによって大幅に天文計算が楽になったので、天文学者ラプラスは「対数は天文学者の寿命を倍にした」と言ったと、同書にある。その他多数の豆知識を、この小冊子からみなさんは釣り上げることができるに間違いない!