- KADOKAWA
- 128ページ
- 価格 2948円
2022年12月1日に火星と地球が中接近したが、さほど話題にならなかった。その理由は、望遠鏡で見ないとダメだったからだ。だがもう一つ理由があった。直前の11月8日の宵空で皆既月食が起こったからだ。おまけに、NHKや民放テレビ各局でそれを報道してくれたからだ。だが、多くの局では、その時同時に起こった天王星食がいかに珍しいことだったかは、伝えてくれなかった。なにしろ、天王星が発見されてからでは初めてのことだったし、今後4000年間、皆既月食・天王星食の同時食が見えないことは、各局とも大きくとらえてくれなかった。だからって、天文学的に言えば「たまたま」というだけで、学術的な意味はほぼないのだが…。
評者が任されている各地のカルチャーセンターで、皆既月食×天王星食をご案内し、当日幸い天候にも恵まれ、各ご家庭でご家族全員が「見たよ!」とご報告いただいたときには、評者も大いに喜んだ。そして、天文現象は皆既日食や皆既月食、明るい星食、大流星雨、明るい変光星などを問わず、それを見た皆さんに幸せや充実感をもたらすことが証明された。世界情勢や国内問題など、どっかに飛んでいってしまいそうだ。そんな理由で、読者の皆さんは、本書をお読みになり、2023年何があるかをあらあじめリストアップされたし。お勧めします。