- KADOKAWA
- 128ページ
- 価格 3000円
天文年鑑と並んで、毎年出版される星の年鑑として好評を博す本書。付録のDVDには5本のプラネタリウム番組と天文シミュレーションソフトを収録している。2024年もアマチュアなら見逃してはならない数多くの天文現象が紹介されている。見ものはいっぱいあります。
まず3月下旬のポン・ブルックス彗星。ちょっと高度が低いのが難点だが、明るい木星が近くにいるので、見つけるのは容易なはず。4月9日にはアメリカ・テキサス州などで皆既日食。皆既中、太陽の西に金星が、東に木星とポン・ブルックス彗星が並ぶという劇的な姿が見られるはずなので、行きたいなぁ。メキシコのドゥランゴでは4分28秒の比較的長い皆既となる。日本では2035年9月2日まで皆既日食が見られないので、ぜひ準備と練習を兼ねて、資金があれば見に行きたいものだ。
5月6日のみずがめ座η流星群と8月12日のペルセウス座流星群は、毎年その出現状況が注目されるが、母彗星(ハレーとスイフト・タットル)が現在地球付近にはないため、とんでもなく飛ぶことはないだろう。しかしながら、共に月明かりの邪魔はないので、好観測条件である。皆様の万全な観測をお願いしたい。10月から11月に地球に大接近する紫金山・アトラス彗星は、2023年1月9日に発見された処女(太陽に初めて接近する)彗星で、双曲線軌道彗星である。ということは、今回の接近でおしまい、-5等まで明るくなるかも…とも言われている。10月3日にはチリやアルゼンチンで金環日食。12月の土星食・プレアデス食・スピカ食も期待される。