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星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

マルチバース宇宙論入門 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか

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マルチバース宇宙論入門 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか
 

  • 野村泰紀 著
  • 講談社
  • 17×10.6cm、190ページ
  • ISBN 978-4061386167
  • 価格 994円

最近何冊も出版されているマルチバース関連の入門書というより専門書解説書として、本書は最も判りやすい本とお勧めしたい。そもそもユニバースとは何で、だれがユニと決めたものなのだろう。だが、なぜユニなのだろうか。それは少なくとも138億光年の彼方までユニ、すなわちそれ以外見えないからだろう。つまりニュートン力学か相対性理論か、どちらにしても普通の物理理論が通用する世界がいわゆる宇宙だからだろう。霊の世界がマルチバースの一つかどうかは別にして、そもそも物理理論とは何なのだろうか。そしてそれは唯一なのだろうか。

評者は学生時代、もう基礎物理学は全て判ってしまい、研究する材料はないよと言われていた。これからは応用の時代で、だから天体物理学の時代だよと先生から言われた。そんなものかなぁ? と思いつつも、天体物理学を勉強して、判らないばかりだということが判った。嬉しかったことを憶えている。だが、今ではユニバースに限界があることを学び、本書においてマルチバースもまんざらじゃないことを知ったのである。もちろん、マルチバースの世界の研究はまだ始まったばかりで、判らないことだらけ。新書版の本では説明しきれないことが数え切れないほどあることも、バッチリ理解できた。そして、やっぱりユニバースなのかもしれないことも。ともかく、本書を一度手にとってください!

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