Location:

Book Review

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

へんな星たち 天体物理学が挑んだ10の恒星

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Amazonで買う
へんな星たち 天体物理学が挑んだ10の恒星
 

  • 鳴沢真也 著
  • 講談社 刊
  • 17.4×11.2cm、264ページ
  • ISBN 978-4062579711
  • 価格 1,058円

遂に出たぁ! 待ちに待った変光星の本! なにしろ評者は誰もが認める(だろう)永年の変行(偏向とも)性人、もとい変光星患者。第十章のアルマーズ(ぎょしゃ座ε)や第三章のミラ(くじら座ο)はじめ、第一章のプレイオネ(おうし座28番星:変光星名おうし座BU)は、評者のライフワークスター・アルゴルの仲間であり、長いお付き合いの星たちだ。ところでアルマーズの名前を知っている人、あるまーず(勿論オヤジギャグ)?

本書は天体物理学の本であると共に、惑星や流星などと違った楽しみがある変光星の紹介に徹した本で、おそらく近年の若い皆さんにとっては初めての本となるに違いない。それほどこの分野の本の出版は、長い間なかった。見開きカラー頁にあるとおり、夜空の向こうはへんなやつだらけを思い知らせてくれる本。いや、筆者脳裏には、ペルセウス座のδやε(共に名前がありそうで名無しで、後者について評者は一時食変光星として光電測光までやった)や、はくちょう座のP(本書に記事あり)χ(記事なし)V1500(記事なし)、いるか座HR(1967年の新星:古いので当然記事なし)などが走馬燈のように巡った。それが現代ではミラに尾が見つかったり、かんむり座Rには蛸の足が見つかったり、日本からよくは見えないけれどりゅうこつ座ηが瓢箪型だったり、ともかく本書を読んで、夜眠れなくなる人が続出することが絶対に確信できる! 一層のファンになれかし。

この本を購入する Amazonで買う