- 講談社
- 17.2×11.2cm、288ページ
- ISBN 978-4065020067
- 価格 1058円
最初、本書表紙折り返しに記された著者略歴を読み、続いて本文を読み始めた途端、評者は「嘘でしょ!」と叫んだ。東大大学院で博士号を取った量子色力学という素粒子論を専攻された方だが、本書は紛れもない宇宙論の本だったからだ。もちろん、タイトルから判ってはいたが…。しかも、単にビッグバン、インフレーション、加速膨張、ダークエネルギーなどを解説してくれる本ではなく、始まりの瞬間・宇宙暦10分・100万年・10億年・138億年・数百億年・1兆年・100兆年・1垓(10の20乗)年・1正(10の40乗)年・10の100乗年という、各エポックまでの宇宙の状況を、懇切丁寧に語ってくれる凄い本なのだ。読者の皆さんは、そのときの宇宙の有り様にビックリなさるに違いない。
評者はつい最近、宇宙が1000億年後ビッグリップかビッグクランチで終わると学んだばかりだが、そんなの小さい小さい。著者によれば、何と10の100乗(1の後ろに0が100個並ぶ数)年後にビッグウィンパー(すすり泣き)で終わることになるそうという。これぞまさしく天文学的数字! また、今からたった12億年後、太陽の膨張によって太陽系のハビタブルゾーンが移動し、地球は灼熱地獄化するとか、その30億年後に起こるアンドロメダ座大銀河と銀河系(天の川銀河)との衝突合体で太陽系の運命や如何に。1垓年後には銀河がブラックホールに飲み込まれるウンヌン。いやはやユメがありますね。オモシロイ!