- 講談社
- 370ページ
- 定価 1980円
本書は360ページほどの本で、読了にほぼ1か月かかった。何故かと言えば、メモすることが多すぎたためである。カルチャーセンターに行く電車内で読みまくり、メモしまくったのだ。宇宙が終わる前に、何とか読み終わったのだ。
本書は、ビッグクランチ、熱的死、ビッグリップ、真空崩壊、ビッグバウンスについて、これまでの宇宙論の本とは較べられないほど詳細に、宇宙の死に時(ない場合もある)について書かれている。もちろん、評者はその前に確実に死ぬが、想像画だけは本書によって明確に描くことができた。その詳細は、本書評読者の皆さんにお任せするが、1か月で読み終えることを目標にはせずに、何か月あるいは何年もかけてじっくり味わいながら読了してほしい。1回で通読しなくても結構です。
ともかく最新の宇宙論の本なので、理解不能なところも多いが、ノースカロライナ州立大学で研究する物理学者で、サイエンティフィックアメリカン誌や、評者も毎月購入しているスカイアンドテレスコープ誌、タイム誌などのコラムニストとしても活躍する著者。なので、痒いところに手が届いた説明である。また、かつて日本語訳出版文化賞が授与された訳者の本で、訳文も手慣れたものである。
間違いなく、貴方の書庫に飾るべき本である。