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金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

暦と占い 秘められた数学的思考

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暦と占い 秘められた数学的思考
 

  • 永田久 著
  • 講談社
  • 320ページ
  • 978-4065186961
  • 定価 1298円

星占いなどの本は、買わない・読まない、を旨としてきた評者だが、本書は副題に魅せられて手にしてしまった結果、はまってしまった。暦の歴史についてである。

暦学は史上最古の学問とされ、その数学的見地から渋川春海らもはまったわけだが、もちろん天文学的にも非常に面白い。本書は、そののっけの質問から魅了される。つまり、世紀には初めの時刻があって、終わりの時刻がないのだ。その理由は本書12ページで。またキリストは何歳で死んだかについても、本書13ページで。また、膨張宇宙論では、時間も空間も現在(というのがどこにあるのか判らないが、ともかく)増加中。よって、天国や地獄がどこにあるのかも判らなくなる。

ただし、本書には宇宙の大きさが31ページに明記されている。金輪際〜有頂天までの距離が4.08光年だそうだ。これって、プロクシマ・ケンタウリまでですよ。天文関係者ならびっくり仰天の値ですよね。宇宙の可視限界は約470億光年が常識になりつつあるのに、たったの4光年ソコソコですって。しかもプロクシマは、我が太陽系のすぐ隣の恒星で、惑星が見つかったばかりの話題の星だ。そんなのが宇宙の限界、極楽の入り口とは。開いた口がふさがらない。極楽ついでに、三途の川幅が576km、閻魔大王の宮殿が地下7200kmにあり、その直下86万4000kmに地獄があるという知識も69ページにある。その他種々タメになる知識が満載で、お勧めです。

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