- 講談社
- 288ページ
- 978-4065187333
- 定価 1210円
評者もこの25年間、多数の系外惑星の本を読んできた。そう、今年は(恒星の周りの)系外惑星が初めて発見されてから四半世紀、25周年である。25年先か250年先かはわからないけれど、本書著者がおっしゃるように、系外惑星直接撮像法によって、その表面上空に雲があるか、海や陸があるか、陸上に植生が見えるかわかるかもしれないからだ。それはもう、人類始まって以来の快挙、いや革命といった方が良い、になりますよ! それが近々なのだから。
評者はつくづく大学で天文学を専攻して良かったと思っている。今回一緒に紹介する書評の著者・佐藤満彦先生(筆者より16歳年上)がおっしゃっているように、近代科学はガリレオやケプラー、ニュートンらによる天文学で始まったのだから。だからこそ、読者の皆さん、本書を読んで系外惑星研究の現状をつぶさに感じて読み取ってください。素晴らしい現代を実感することができますよ。
本書は、評者が真面目に申し上げて、系外惑星を学ぶうえで現代で最も良い本だと思う。とくに、ホット・ジュピター、ウォーム・ジュピター、ホット・ネプチューン、スーパーアース、エキセントリック・プラネット、周連星惑星など、系外惑星の多種多様性を学び、地球という天体が特別なのか、そうでないのかをぜひともお考えください。まさしく新しい哲学や宗教にもなるかもしれないからです。